星の彼方 雲の隙間

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ダヴィンチA.B.C-Z特集「まだ見ぬ明日へ」①Do you know A.B.C-Z?

文芸誌ダヴィンチの連載「ジョーダンバットが鳴っている」は、先月発売された3月号をもって終了となった。打ち切りではなく「卒業」であるというのは意外だったが、戸塚祥太が自分と向き合って考え抜いた結論であり、それをダヴィンチ編集部さんが愛を持って受け止めてくれた結果なのだろう。まずは戸塚祥太にお疲れ様と、ダヴィンチ編集部さんへの感謝を述べておきたい。

 
さて、3月号の発売日、えび担は次回予告のページを見て目を飛び出させることになる。ジョーダンバットが終わった次の4月号で、とっつー連載卒業記念と称してA.B.C-Zが表紙を飾り、特集が組まれることになったというのだ。これまでもジャニーズアイドルでありながら様々な新境地を拓いてきたA.B.C‐Zだが、名門文芸誌の表紙を飾る未来がくるとは思ってもみなかった。この子達は本当に何年経ってもサプライズを忘れない爆モテ彼氏たちである。
 
そして待ちに待った4月号の発売日。書店に平積みされた5人の表紙。普段雑誌は厳選に厳選を重ねて買う私でも、中身の確認もせず3冊抱えてレジに向かうことになんのためらいもなかった。ドル誌ではなかなか見ることのできない表情の5人がそこにはいた。ただただ美しく佇み未来を見据える等身大の青年たち。何度見返しても息を呑むほど。額に入れて飾りたいほどの心揺さぶる写真だった。
 
さて、ここからはそんなダ・ヴィンチ4月号A.B.C‐Z大特集のひとつひとつを取り上げて感想を残していきたいと思う。
 

☆★☆Do you know A.B.C‐Z?☆★☆

A.B.C‐Z大特集の最初を飾るのは意外にも、A.B.C‐Zと共演したことのある各界の著名人からの言葉だった。特に印象に残ったコメントを取り上げてみたいと思う。
 
山里亮太さん<ジャニーズ界の上杉謙信
「天下統一を目論むよりも、ただ、A.B.C‐Zという国の民が幸せであることを願っている。そのためなら自ら出陣して全力で戦うし、宝を勝ち取っていく。」
 
初っ端から泣いた。いやあ、泣いた。もともと山ちゃんは日本語の魔術師だと思っていたけれど、たとえのひとつひとつが的確で、魅力的で、こんなふうに言ってもらえる彼らを好きで本当に良かったと思った。山ちゃんの言うとおり、彼らは天下統一も目指しているけれどどこかに必ず「ファンのために」という気持ちがあるように見える。こちらが申し訳なくなるくらい、いつも一緒だと思わせてくれる。愛してくれる彼氏のようだったり、戦友のようだったり、関係性は時と場合によって様々だけど、いつも彼らの心の中に私たちがいるのだと信じることができる。おとぎ話のようだけど、彼らとなら本気で夢を見たいと思わせてくれるA.B.C‐Z。そんな国の民でいられる私たちは世界一の幸せ者だ。
 
 ・永岡歩さん<見せる顔のギャップに掴まれます>
「りんごを5円で売るのではなく、1万円で売っているんだけど、それを高いと感じさせないくらい素晴らしいものをたくさん見せてくれるんです。」
 
あゆみ。ありがとう俺たちのあゆみ。彼らのことをいつもスペシャリスト集団でありながら気のいいお兄ちゃんと表現してくれるナガオカさん。今回その親しみやすさを「自分たちを安売りしているのとは違う」とはっきり言ってくれたのが本当に嬉しかった。崖っぷちジャニーズ、瀬戸際ジャニーズと散々形容されてきた彼らだが、その奥にあるエンターテイメントへのプライドをナガオカさんはきちんと見出してくれた。彼らがそうやってアイドルとしてのプライドを忘れずにいてくれるからこそ、私たちも安心して熱狂することができるのだろう。
 
テリー伊藤さん<彼らには、青春のにおいがする>
「(ジャニ伝主演は)ジャニーさんが、自分にとって一番の夢を彼らに託しているからだという気がする。テレビでは表現しきれない‘何か’を。(中略)そのジレンマにもまた、青春のにおいがする。青春というのは、全員が100%ハッピーになれるわけじゃないし、すべてが思い通りにいくものでもない。」
 
長年演出家をつとめられているだけあって、本質を突いたコメントがとても印象的だった。テレビに出て人気を博すメジャーなアイドルになりたいという彼らの夢と、何よりも舞台で輝く彼らの素質に懸け自分の一番大切なものを託したジャニーさん。それはジレンマである。もちろん両方をとることもできるのかもしれないけれど、どちらかを大事にしたほうがより良いものができるのかもしれないし、それは誰にもわからない。私は舞台で彼らに堕ちたので正直言って舞台を大事にしてほしい気持ちの方が強い。あれこそが、彼らにしかできないことだと思っている。だけど彼らの夢が叶うことは私の夢でもある。このジレンマもそう、それぞれが抱えた過去の挫折もそう、DVDデビューもそう、売上や露出の少なさもそう。彼らにはいつだってその「青春のにおい」がする。何もかも望み通りにやってきたわけではない「今」をそれでも5人で愛しく大事に抱えて前に進んでいるからこそ彼らからは目が離せない。Mw初回Cの特典映像で戸塚さんが言った「周りの人と違う道を行ってるような気もするけど、遠回りかもしれないし…でもこれが自分たちの最高速度だから」という言葉は何度私を救ってくれたことだろう。彼らの見せてくれるすべてが最高に愛おしいという気持ちと、本当はこんなもんじゃないんだという気持ちと。愛というジレンマを抱えながら私たちは未来へ進んでいく。
 
鈴木拓さん<暴走した個性が集結したときに見せる爆発力>
「彼らを一言で表すなら、‘全方向に攻撃的な馬鹿’(笑)」
 
内外から好評を博しているABChanZOOクイズサバイバル。そこで彼らの魅力を最大限に引き出してくれているのが拓さんである。相手がジャニーズだからという遠慮は一切感じられず、ただただ目の前のおばかな5人を美味しく料理することに専念してくれている。そればかりかそれぞれのキャラをきちんと把握し、大切に育んでくれているようにさえ見える。えび担として本当に頭が上がらないと思っていたが、こうして雑誌に載ったことで「強烈な個性」と「集結したときの爆発力」という彼らの最大の魅力をはっきり理解して尊重してくれているのだと知ることができた。次回から土曜深夜に移動してクイズ以外の企画も多くなるようだが、できれば拓さんとずっと仕事をしていてほしいと願わずにはいられない。彼らのようなじゃじゃ馬を飼い慣らせるのは拓さんしかいない。
 
山田美保子さん<本当のジャニーズ伝説を引き継いで欲しい>
「ジャニーさんはあの頃の夢を彼らに託している気がするんです。(中略)ジャニーズやフォーリーブスと似たものを彼らに感じましたから。歌声にも、品の良さにも。」
 
ネバマイやジャニ伝のことを挙げ、彼らはジャニーさんにとって特別な存在なのではないかという山田美保子さん。私はジャニーズやフォーリーブスのことは知らないけれど、彼らがジャニーさんの夢であったこと、A.B.C‐Zがそれを表現に昇華する存在として選ばれたことはジャニーズ伝説を見れば痛いほど伝わってくる。ジャニーズとは言い換えれば「続いてく伝説」である。そんな伝説を正面から受けとめ、次世代に繋いでいく、そういう大役を任されるのがA.B.C‐Zなのだ。また美保子さんが挙げてくれたデビュー時の五関くんのエピソードには痺れた。誰よりも長い下積みを経てようやく掴んだ自分の栄光なのに。でもそうやって誰より多く去っていく仲間や後輩を見てきたからこその発言でもあるんだろうなあ。
 
・山本清史さん<ついに来たな>
「一番芝居に向いているのが五関くん。(中略)彼は表現欲求がすごく強くて、カメラの前に立つとそれが爆発するんです。(中略)台詞がなくても空気で魅せられる人は、そう多くはいないですよ。」
「僕たち裏方の人間にも、連帯感や絆のようなものを感じさせてくれるグループなんです。」
 
魔法男子☆チェリーズの山本監督からのコメントは、この企画の中でも1番嬉しいものだった。五関担が薄々感じていたことを実際に仕事をした監督さんがはっきり言葉にしてくれたのである。そう、彼は表現欲求が強い。そしてそれを大事なところで爆発させることのできる表現者なのだ。チェリーズを見ていた頃はまだ五関くんに全然興味がなかったのだが、2Dホス回での繊細な演技は強烈に印象に残っている。今思えば当時の彼はカメラの前での演技経験なんてあまりなかったはずで、この評価は彼の非凡な才能を証明するには充分すぎるものではないだろうか。ドラマでも舞台でも、彼の演技がもっと多くの人の目に触れ心を揺さぶることを強く願いたい。そして5人が連帯感や絆を感じさせるグループであるというコメントにもやはりそうなのかと膝を打った。常々ここでも書いているように彼らの最大の魅力を一言で集約するとすればそれは「優しさ」である。痛みを知っているからこそ誰よりも強く、それは同時に優しさを持っているということで
もある。周りのすべての人に幸せを与える根っからのアイドルは、こうして仲間を増やしながら一歩ずつ進んでいく。
 
・まとめ
この企画に寄せられたコメントから抜粋して何人かを取り上げたが、いただいたすべての言葉がA.B.C‐Zの魅力を新たな角度で浮かび上がらせてくれる素晴らしいもので、紹介しきれなかったのがとても残念である。どのコメントからも彼らの好感度の高さと積み重ねた実績が匂い立つ、そんな素敵な企画だった。わざわざ時間をとってインタビューに答えてくれたみなさん、わざわざ原稿を書いて送ってくださったみなさんに心からの感謝を申し上げたい。こうしてこんなにも多くの人が本気で語ってくれるほどの魅力をもったグループ、どんな人も確実に魅了していくグループ、それがA.B.C‐Zである。
 
あとキリショーは河合ソロをカバーしよう。