星の彼方 雲の隙間

声が届かなくても想ってるよ

大切なものはいつだって同じ〜55Tourアリーナ公演を終えての速報値

A.B.C-Z 5Stars 5Years  Tour

7/30@大阪城ホール

8/8,9@横浜アリーナ

 

 

私は常々

 

「アクロのレジェンド」

「完成度のアリサマ」

「エモのSLT」

 

と直近のコンサートを評してきましたが、55Tourのエモさはこれまた尋常じゃなくて。まだホールが始まっていないので最終的にどんな言葉が出てくるか分かりませんが、とりあえず速報値で思うところを書いてみようと思います。

 

横アリ2日目に行われた公開記者会見で、今回構成演出に初挑戦した戸塚さんは「5年間の集大成を目指した」と語りました。代名詞のアクロバットや恒例の巨大装置、レベルの高い歌とダンスに面白さ、ファンとの一体感、そして彼らの何よりの強みである優しさが随所に散りばめられたステージはまさにこれまでのA.B.C-Z全部乗せの出血大サービス。過去に想いを馳せながら今の彼らを感じて次に前を向くその時、自然と「この幸せが続きますように」と願ってしまうような、未来というより永遠を感じる出来だったのではないでしょうか。

 

 今回、5周年であること、横アリでは初の単独公演だったこともあり、メンバーの口からはファンへの感謝が幾度となく繰り返されました。そしてそのどれもが実感のこもった自分の言葉で表現され、決してポーズではないことが痛い程伝わりました。彼らは本気でした。5人で、そしてファンと共に、こんな時間を永遠に作っていくのだと、真剣に伝えてくれました。

 

そう、今回の補助線は「時間」かもしれません。最新シングルReboot!!!から始まり、アクロバット、オリメンのソロ、初CDシングルのMwで前半を締め、初挑戦のハモり曲に盟友福ちゃんの振り付けたLWでは五つ星を彷彿とさせる衣装、五関ソロでA.B.C.が出揃い花言葉でファンの声を聴いた後はいよいよ橋本ソロでA.B.C-Z。メンコ曲で愛を叫んでスターシップに乗船した彼らは時空を飛び越えざえびへと辿り着きます。

 

変わるものと変わらないもの。あの時のざえびと今のざえびは違う。でも大切なものはいつだって同じなのです。それを忘れずに体現してきた彼らだからこそ、今ここにこれだけの笑顔が集まっているのです。

 

橋本くんも言っていたように5年間はあっという間だったかもしれません。でもその1日1日を彼らは着実に進んできた。ファンやスタッフや共演者、1人1人と確実に出会ってきた。それが初めての横アリ単独公演で結実したことを、5人はしっかりと見せ付けてくれました。

 

確かにそれは相対的に考えれば決して速い進みではありませんでした。でもそれが彼らの最大速度であることを私達は知っている。それ以上に大事なことがあるでしょうか。誰かと比べる必要のない、いや、比べることなどできない絶対的な幸せがあることを5人は教えてくれたのです。

 

誰かの決めた物差しで闘うことを求められる厳しい世界で、彼らはいつだって自分達の心だけに従って新しいものを見せ続けてきてくれました。その自由に魅せられて、憧れて、勇気を貰っているのは私だけではないと思います。

 

もちろん、うまくいかないことだってありました。彼らの力になれない悔しさに涙した日がなかった訳ではありません。でもそんな日々も一緒に抱えながら進んでいけることこそが、今を共に生きる意味なのです。同じ時間を過ごすということなのです。

 

ひとりひとりが挨拶を述べたあと、アンコールの最後の曲は、まさかの「サポーターズ」でした。

 

「僕も君に救われたんだよ」

「嗤われても構わない」

「あの日約束した未来まで」

「今はまだ遠いけどいつか届く」

 

 こんなに完璧なフィナーレがあるでしょうか。信じられない程の幸せを今ここで見せてくれた5人が、その理由を諭すように「僕も君に救われたんだよ」と言ってくれる有難さ。そしてそれがきっと嘘でないことを、その愛を、私達はまっすぐに信じることができる。

 

アイドルという存在が生きているのは不確かな世界です。そして名もなきファンの存在はさらに頼りない。明日表舞台から消えるかもしれないアイドルと、明日他の誰かを好きになるかもしれないファンの間を繋ぐ確かなものは何もありません。だからこそ、アイドルとファンを繋ぐ絆があるとすれば、「信じる」というただ一点に尽きると思うのです。

 

目に見えないそれを嗤う人もいるでしょう。でもその目に見えない絆を信じることのできる人生がどれだけ幸せか、 言葉ではとても言い尽くせません。私は5人を愛しているし、彼らの愛を信じることができる。それだけで充分なのです。

 

まだホール公演は続きますが、「愛の人」戸塚祥太が5人の力を結集させて作った55Tourはきっと今までで最高のコンサートになることでしょう。その時はまたこんな風に想いを綴れたらと思います。ひとまずお読みいただきありがとうございました。

 

 

改めて、デビュー5周年おめでとう。

 

一緒に連れてきてくれてありがとう。

 

ずっとずっとこの幸せが続きますように。

 

たとえこの世が滅びても~20周年を鮮やかに彩った愛の花を忘れない為に

第一報が光一さん本人の口からもたらされたのは6/28、太一くんが司会を務めるテレ東音楽祭冒頭でした。

 
「番組としても20周年を盛り上げてくださってる中非常に申し訳ないんですが」
「大事をとってお休みしています」
 
 
タイムラインには衝撃が走りました。
誰もが言葉を失い、混乱していました。
 
その日のパフォーマンスは光一さんの親友こと長瀬智也さんが助っ人として音合わせもなしに「全部抱きしめて」を歌ってくれたり、太一くんやレボレボ、スタジオのみなさんと一緒になって「フラワー」を歌ったり、仲間が助けてくれたことで比較的和やかなムードで進行していきました。誰もが一日も早い復帰を願い、20周年本番に間に合わせるための休養だと信じていました。
 
3日後の7/1には、櫻井くんが司会を務めるTHE MUSIC DAYの生放送がありました。つよしくんが出演を見合わせたことは事前にお知らせされていましたが、未満都市が復活することもあって「愛されるより愛したい」を歌うことが既に発表されており、どのようなパフォーマンスになるのかが世間的に注目を浴びました
 
まずはジャニーズシャッフルメドレーに冬コンのアンコール衣装で登場した光一さん。隣の太一くんがずっと肩を組んでくれ、心なしかメンバーみんながセンターの光一さんを囲むような陣形でのぞんでくれたように見えました。「泣きながら生まれてきた僕たちは多分ピンチに強い」と歌う光一さんはその強さの中にどこか寂しさが滲むようで、これまでに見たことのない佇まいでした。
 
そしてやってきた光一さんのターン。「本当にごめんなさい、スタッフの方にも柔軟に対応していただきありがとうございます」と頭を下げる光一さん。「愛されるより愛したい」を未満都市で共演する松本くん相葉くんと共に歌うことが発表され、「これを歌うならこのふたりしかいないと思って。本当にありがとね!」とふたりにも感謝を述べます。
 
イントロが流れ出すと松本くん相葉くんと固く握手を交わし、光一さんがセンターに立ってパフォーマンスが始まる…と、気付いたのはそのときでした。光一さんの黒い衣装のインナーに、のラインが入っていたのです。いつもいつもメンバーカラーに意味などないと言って憚らない光一さん。でもこの日ばかりはその大きすぎる意味を感じずにはいられませんでした。
 
ふたりにありがとうと拍手を贈り、たったひとりでピアノの前に立つと歌いだしたのはAnniversary。しかも、テレビではあまり披露したことのない2番の歌詞でした。
 
「君がいるだけでありふれた日々が鮮やかに彩られ愛が満ちていくよ」
 
これがメッセージでなければなんなのでしょうか。後に明かされたところによれば、Anniversaryの歌唱を決めたのは直前で、本来は愛されるより愛したいだけになる予定だったというのです。
 
「みなさん本当にご心配をおかけしてすいません。つよしくんが戻ってきたらKinKi Kids20周年、また新たな気持ちで、感謝の気持ちを乗せて、再スタートできたらいいなと思っております。本日はみなさん本当にどうもありがとうございました。」
 
どうしてこの人が謝らなければいけないんだろう。
どうしてこの人はひとりで立とうとするんだろう。
どうしてこの人はこんなにも強いんだろう。
 
つよしくんの回復を願いつつも、その日は光一さんの強さが哀しくて数時間泣き続けました。神でも悪魔でもいい、あの人の魂を救ってくださいと願わずにはいられませんでした。
 
その後の収録番組も光一さんがひとりで出演し、次の生放送は7/11、NHK「うたコン」。この日も生出演は光一さんのみとなりました。紅白の映像を振り返るコーナーなどを経て、選曲したのは「もう君以外愛せない」。
 
「君が一瞬でもいなくなると僕は不安になるのさ」
 
スモークの海を漂いながら音に魂を込める光一さんは、ファンが見れば分かる程度にはやつれていて、でも、涙が出るほどに美しくて。
 
ひとりでの出演なのだから、自分のソロを歌うことだって、最悪出演をとりやめることだってできた筈なのです。でも光一さんはKinKiとしてそこに立ち、歌うことを選びました。KinKiという場所を、ひとりで守ることを決断してくれました。
 
司会の谷原さんは、「きっとテレビの前で見ていてくれてると思いますよ」と言ってくださいました。そのくらい、誰がどう見ても、ここにいないたったひとりの為に捧げられた歌でした。
 
 
ファンクラブからPartyについてのメールが届いたのはその2日後、7/13午後9時のことでした。
 
治療を続けてきたものの完治に至らず完全なパフォーマンスの約束ができないこと、その為つよしくんは映像での出演となること、光一さんがステージ上でパフォーマンスをすることが感謝やお詫びと共に綴られていました。
 
1番に感じたのは決断してくれて良かったということ。この一連の出来事がPartyに照準を合わせた休養であるとすれば、無理をしてでも出演してしまう、させられてしまうのではないかという不安は少なからずありました。でもチームKinKiはつよしくんの完治を1番に考えている。それがわかって少しほっとしたのを覚えています。
 
でも正直、芽生えたのは前向きな気持ちだけではありませんでした。デビュー15周年の「ぼくも」事件。なかなかふたりの活動が増えなかった時期。20周年にむけての要望活動。いつしか数え年が当たり前になっていたアニバーサリーイヤーを去年で終わらせず、「20周年本番は2017年7月」と唱え続け、ふたりとファンがやっとの想いで手に入れたPartyやCMやたくさんのテレビ露出でした。
 
どうしてふたりがこんな目に遭わなくてはいけないのか、
どうしてつよしくんの苦しみを代わってあげられないのか、
どうして光一さんの強さに1ミリでも報いることができないのか、
この日も悔し涙が止まることはありませんでした。
 
光一さんがファンに謝るようなことになったらどうしよう、つよしくんは中継とはいえ本当に出演が可能な状態なのだろうか、遠くにいるつよしくんのことを、ひとりでパフォーマンスする光一さんを、
どんな気持ちで見たら良いんだろう。払い戻しをすることは全く考えなかったけれど、不安は泉のように湧き続けました。
 
翌日、20周年前夜祭として企画されていたディレイビューイングが中止されること、ハマスタから生中継での出演が予定されていた音楽の日」への出演が取りやめとなったことが発表されました。後に聞くところによれば予定されていた報道陣の取材も行わないことになったそうで、おそらくは映像演出上必要なカメラ以外は設置しなかったのだろうと思います。ディレイビューイングは海外での開催も決定しており、海外ファンの長年の要望がようやく形になる筈でした。音楽の日はふたりが敬愛する中居くんの番組であり、20周年という節目のイベント中継で華を添える筈でした。
 
おめでとうとありがとうを伝えたい一方で不安な想いを消すことができず、Partyが明日に迫っているにも関わらず気持ちの行き場を失くしかけていたその時でした。
 
LOVE FIGHTERの更新。
 
これまでの経過と謝罪、無念、そしていつもと同じ大きな愛が、かわいらしい顔文字を添えて綴られていました。ハマスタに入れないファンにも一斉に想いを伝えてくれたのです。真摯に、でも深刻にならないように、つよしくんの人柄がそのまま表れたような優しく想いの詰まった文章でした。明日は遠くにいるつよしくんにも愛が届く時間になればいい、そう強く願いました。
 
その3時間後。
 
Show must go onのアイコンに灯る「UP」の印。
目を疑いました。
それは実に、約300日ぶりの更新でした。
 
光一さんはいつも、ファンに向けた文章を敬語で綴ります。特に自分や周りに何かあったときの挨拶は例外なく、考え抜かれた慎重な言葉選びで表現されてきました。
 
それなのに。
 
その日更新されたのは句読点すらないくだけた口語体の文章。Partyの内容はほぼ決まっていないこと、そして全て受け止めたうえで明日は楽しむのだという率直な想いが綴られていました。改行に挟まれた中盤の9文字。それは自分でも気付かなかったけれどあの時1番欲しかった言葉なのかもしれません。
 
光一さんは常々「不安だから稽古を重ねる」「段取りに空白があるのは怖い」と言ってきました。完璧に作り上げた世界観の中に客を誘うのが光一さんの、そしてKinKiのやり方でした。そんな姿を見てきた私は今回のことで勝手に光一さんの心情を推し量り、不安で仕方がない筈だ、寝ずに段取りを作っている筈だと妄想を膨らませ心を痛めていました。でもそれは愚かな行為でした。ふたりの四半世紀は、ふたりのデビュー20周年はそんなヤワなものではなかったのです。せっかく辿り着いたPartyなのだから心から楽しむべきなのです。まさに霧が晴れたような気持ちでした。本当にすごい人のファンになってしまったと思いました。
 
そしていよいよPartyの日はやってきました。ほとんど眠れず寝ぼけたままで熱中症対策グッズを山ほど詰め込んだバッグを引きずるようにして横浜に向かいます。販売開始は9時と発表されていましたが、7時の時点で2000人が並んでいるという情報も。誰もが炎天下で数時間立ち続ける覚悟でグッズ列に臨んでいました。
 
しかしいざ並んでみると、販売開始前にも関わらずどんどん進んでいくグッズ列。何事かと前に続くと、販売会場の隣のホールが待機場所として用意されていました。冷房完備はもちろんのこと、会場内にはいくつものモニターが設置されており新曲やライブDVD、テレビやラジオのCMまでさまざまなKinKiの映像がかわるがわる映し出されます。さらにはホールの片隅に置かれたPartyロゴ入りの白い布の壁。その前にはペンも用意されており(なお赤と青がかなり多め)、寄せ書きができるようになっていました。
 
いったいどうしてしまったのでしょうか。あまりのホスピタリティに言葉を失っていると、30分早く販売が始まった隣のホールからとんでもない情報が飛び込んできました。
 
「コンサート衣装が展示されている」
 
私たちはグッズを買いに来たのであり衣装展に来たのではありません。言葉の意味が分からず混乱したまま販売会場のホールに入ると、そこには想像を絶する光景が広がっていました。
 
まずはすごい数の売り子が並ぶグッズ列。現金専用レジとカードも使えるレジの2種類が用意され、いずれもロゴと商品名の入ったレシートがでてきます。
 
そして売り場を抜けいくつもの仕切りの中を蛇行した先には、年末年始に行われたコンサートの写真パネル、そして実際に着用した衣が飾られていました。衣装の後ろにはひときわ大きなパネルが置かれ、コンサートの臨場感を思い出せる仕掛けに胸が熱くなります。丁寧に飾られた衣装はそのどれもが豪奢な刺繍や煌びやかなパーツがふんだんに散りばめられた美しい仕上がりで、神は細部に宿ると言わんばかりの仕事ぶりを近くで眺めることができる至福のひと時でした。
 
衣装展の最後を飾るのは、ライトアップされ360°眺められるように祀られた紅白衣装。このお衣装は元日のコンサートのアンコールでのみファンに披露されましたが、そのときのふたりの口ぶりからこの後は永遠に封印されてしまうものと思っていました。まさかこんな風に仔細を眺めることができる日がくるとは夢にも思わず、語彙を失うほどの美しさにただただ圧倒されるばかりでした。
 
幻かと思うほどの空間を抜けると、またもや行列が。いつも会場でCDやDVDを販売している山野楽器さんのブースでした。尋常でない並びっぷりに困惑していると、どうやら新曲「The Red Light」の横浜スタジアム限定盤が用意されているというのです。これも事前には一切知らされていない情報でした。コンサートDVDにも会場限定のショップバッグがつくとあって売り場は大盛況。パネルや衣装の展示を見て「お金を払わせてほしい…」と口を揃えていたおたくの気持ちを昇華させてくれる素晴らしい仕組みでした。私は早い時間に並べたので問題なく購入できましたが、限定盤は二日とも売り切れてしまったとのこと。そんなハマスタブーストもあり、テレビで一回も歌唱できなかったにも関わらず新曲はギネス記録の更新と共に売上20万枚の大台に乗りました。
 
一方、会場となるハマスタでは着々と準備が進められていました。恒例のモニュメントはのリボンで彩られた誕生日ケーキの形をしており、お世話になったたくさんの方々の名前が並びます。ゲートには「Welcome to KinKi Kids Party!」の文字が躍り、招待客を今か今かと待っているようでした。
 
いよいよ開場の時。入場した私たちはまた驚かされることになります。入場者全員に、Partyのロゴが入った大判のタオルがプレゼントされたのです。タオルの入った肩掛けの透明なビニールバッグにもふたりの手書きメッセージが印刷され、チームKinKiからの愛を感じずにはいられませんでした。
 
、そしてイベントロゴと共に「20th Anniversary」の文字が光るシンプルなステージ。まだまだ陽は落ちておらず、生ぬるい風が吹き抜けていきます。定刻を迎えると、響いてきたのはいつもと変わらないトーンの光一さんの声でした。
 
(ここからは二日間をダイジェストでお送りします)
 
◎映像越しのつよしくん
まだ姿の見えない光一さんの合図でつよしくんを呼び出すと、モニターに映ったのは鼻メガネを装着したつよしくん。号泣する準備はできていたオタ各位の爆笑を誘います。ユーモアセンス溢れるスケブ芸(言い方)で病状や経過の説明をしてくれました。2日目の登場はおふざけなしの超絶美人。「昨日はゆるすぎたかなと思って…と微笑むと光一さんがファンと同じかそれ以上のテンションでつよしくんカッコいいよ!」とはしゃぎます。光一さんはつよしくんの口の中から出てくる設定。今まで見たどの登場よりもぬるっとしていましたが、Partyだからとタキシードをキメてきた光一さんは神作画ぶりがすごかったです。つよしくんはすぐに中継芸をマスターし(だから言い方)、光一さんが暑いといえば画面の向こうから煽いであげたり、雨が降るかもと言えば画面の向こうから屋根を差し掛けたり、ロウソクが消えそうになれば風除けを作ったりと奮闘していました。なお光一さんのツッコミがゲロ甘。大きなつよしくんと小さな光一さんの織り成す御伽話のような光景は暖かくもどこか切なく、この世に魔法使いがいるならふたりの間にあるものをすべて消し去ってほしいと願わずにはいられませんでした。
 
◎Hey!みんな元気かい?
光一さんが1曲目に決めていたのはこの曲。「今日はいつも通り上手に立つしいつも通り自分のパートを歌うからみんながつよしくんパートだよ!ハモもそのまま歌うからつられないでね!」とつよしくんの居場所を守る想いに涙しつつ、つよしくんパートという大役を任されるファン一同。ふたりも言っているように普段のコンサートではあまり歌わないKinKiファンですが(声を出すようなコンサートじゃないしふたりの歌が聞きたいからなんですけどね)、この日は第一声からすごかった。光一さんの想いに応えたい、つよしくんに声を届けたい、そんな気持ちが音になって溢れているようで、泣かないと決めた筈の誓いは脆くも崩れ去ったのでした。1日目、ファンとの歌唱を終えた光一さんが「あっ!Hey!つよし元気かい?って歌おうと思ったのに忘れてた!!」なんて言い出してもう一度ワンコーラス歌ったのには笑い泣きでしたが、そういう意味でどうしても1曲目にこれを持ってきたかったんだなと思うと本当に貴方という人は。
 
◎過去映像
おもむろにPartyのロゴが入ったスケッチブック大のリストを取り出すふたり。円盤化されていない過去のステージ映像をみんなで見ようというのです。デビュー会見の映像からはじまり、まだコンサートで先輩の曲をカバーしていた時代の貴重な映像から新しくてもGコンの映像まで、様々な未円盤化映像に阿鼻叫喚のハマスタ。しかし一番リアクションが大きかったのが誰あろう光一さんだったのには笑いました。過去の自分が客席に手を振っていることに驚いたり、意外とカッコいいじゃんと呟いてみたり。さらにデビュー前後のつよしくんの映像が出てくるとさあ大変です。「つよしくんかっこいいじゃん!」「つよしくんて俺こんときのイメージやわぁ!」「かっこいい!」「つよしくんかっこいい!」強火がうるさい。いやでもほんとにかっこよかったんです、愛してる愛してないとか。ただ六甲おろしとカムストックは意味が分からなかった。なんでバイク乗り回してるの。自由か。
 
◎ケーキ
1日目の中盤、突如つよしくんの部屋にもゲストが登場。自分たちのリハ(この日は音楽の日の出演もありました)がある中駆け付けてくれたふぉ~ゆ~の4人でした。4人が運んできてくれたのは「2」「0」のロウソクが立てられたお祝いのケーキ。さらに光一さんのいるステージにも同じものが届くというスタッフさんの愛がとても嬉しかった。そして光一さんが「建さんちょっと音楽お願いできますか」というと流れ始めたのは20周年バージョンのハピグリ。これも嬉しい贈り物でした。ステージにひとりの光一さんは主役なのに自分で火をつけるしかなく、しかも野外で風があった為全然上手につかなかったのですが、画面越しに風除けを作ろうとしてくれたつよしくんも「だから飛び出してこないから!」とツッコむ光一さんも本当に可愛かった。つよしくんが「そっちにいる光一が(ロウソクの火)消してよ」といえば光一さんは「俺はいつも誕生日で消してるからつよしくんが消してよ」と譲り合い、結果的にせーので消しちゃうアラフォーやばくないですか???しかも光一さん最後まで火つかなかったのにちゃんとタイミング合わせて消すフリしてるんだよ???(興奮)
 
◎薔薇と太陽
つよしくん、そっちにpBoneあるでしょ?薔薇と太陽にさ、ホーンの見せ場があるじゃない?あそこやってもらおうかなと思って。でも吹いちゃダメだよ耳に悪いから!」と光一さん。いまのふたりでできるパフォーマンスを最大限に考えてのアイディアだったのでしょう。ノリノリでpBoneを組み立てるつよしくん(なお未だに組み立て方が曖昧)が冗談で「でも逆にこれ吹いたら一気に治るかもww」なんていうと「絶対ダメだよ!吹かないでね!」4回も念を押す光一さんのおにいちゃんぶりたるや(でもマウスピースがケースの中になかったようで物理的に吹けませんでした。光一さんに絶対吹かせるなと言われたスタッフさんの苦肉の策だったのかなーなんて邪推)。曲が始まると、4tの足枷(この日は部屋を飛び出してハマスタに行かないようにスタッフが厳戒態勢をしいていたそう)をものともせず躍動感溢れるプレイで魅了するつよしくんとたったひとりでタキシードのままガッツリ踊る光一さん。客席はそのふたつを視界に収めながら一生懸命つよしくんパートを歌いましたが、「くびすじにーひかるあーsギャァァァァァァとシャルドネチャンスに崩れ落ちます(そんな客席にニヤリとしてしまう光一さんも見逃さなかったぞ)。間奏に入ると「はいつよしくん見せ場だよ!」という掛け声から怒涛のスタンドプレイ。激しくpBoneを吹き散らかしたかと思うと足枷を攻撃しはじめ破壊に成、ズルズルと遠くへ追いやります(なお数分後には何事もなかったようにまた自分でつける)。笑って泣いて歌って叫んで史上最高に忙しいばらたいだったのでした。
 
◎ひとりじゃない
1日目の後半、流石に暑いから着替えるねという光一さん、無礼講だからとその場で脱ぎ始めます。肉体美に興奮する客席に背を向けて白いTシャツに着替えた光一さんが正面に向き直ると、そこにはなんと、若かりしつよしくんの写真が…!さらに客席が騒然としている間に何やらフレームアウトするつよしくん。戻ってくるとそこには同じく若かりし光一さんの写真が印刷されたTシャツを纏うつよしくんの姿が…!(我々はいったい何を見せられて…????)と困惑する客席をよそに何事もなかったように進行するふたり。ここで光一さんが歌いたいと言い出したのはまさかの「ひとりじゃない」でした。はじめちゃん大好きなのは知ってるけどさァ、ほんとにそれで歌うの?その格好で?とツッコむ間もなく相方正面で歌い始める光一さん。全席一律ケツ見でお届けしていきます。遠くにいる相方に贈る「ひとりじゃない」は文字で読めば感動的ですが、なにしろ目の前の人もスクリーン越しの人もTシャツに印刷されたお互いの顔を撫でたりして楽しそうだし、桜木町の花火がドンドコ打ちあがってるし、もう何がなんやら。まあいっか、無礼講だし(?)
 
◎つよしくんの弾き語り
1日目、ギターを取り出したつよしくんが歌ってくれたのはto Heart「君がいるただそれだけで壊れるくらいつよくなれるよ」という言葉は、これまで光一さんが送り続けてきたメッセージへの返歌のようでした。もともと歌う予定がなかったのかこの日はギターにマイクがあてられておらず、会場に届く音声はほとんどつよしくんの声のみ。優しい美声がアカペラのように響き、光一さんをはじめ誰もがただ静かに聴き入りました。2日目に選んだのは「おかんが必ずカラオケで歌う」という青の時代。「砂に書いたあの文字は僕への励ましの言葉」という歌詞だけでメッセージ性は充分すぎるほどで、吹き抜ける風が光一さんの横顔を撫でる光景は本当に綺麗で。神様どうか彼から音を奪わないでくださいと願わずにはいられませんでした。
 
◎ゲスト
2日間で駆け付けてくれたゲストは総勢14人。「この(未円盤化)リストだけで酒が飲める」「光一さんの隣で踊る日が来ることを17年前の自分に教えてあげたい」とオタ全開で好感度爆上がりだった生田斗真くん、テレ東音楽祭のことも含めてちゃんと御礼させてねって言った光一さんに「今度箸借りにいったらお茶ぐらいだしてね!」って帰ってく宇宙一の男前こと長瀬智也さん、舎弟のような腰の低さでとにかく恐縮しまくるロバ丸、愛が溢れすぎて声が震えていた増田貴久くん、赤青の服をキメ汗だくになりながら2曲もバックについてくれた泣き虫などなど、ゆかりのあるメンバーがおめでとうを伝えに来てくれました。正直なことをいうと、こうなる前はぼんやりと「KinKiの記念日に後輩は集まらなくていい」と思っていました。記念コンサートに後輩が集結した例はいくつもありますが、KinKiはそういう感じではなくいつも通りふたりぼっちで居てくれた方が良いと思っていました。でも、この状況でKinKiの為に何かできないかと駆け付けてくれた仲間達の愛は私が考えていたよりずっとずっと大きくて、それが心から純粋に嬉しく幸せでした。ゲストが来るたびに「今何年目?次の○周年は必ずお祝いに行くからね!」と声を掛ける光一さんは本当に素敵な大人の男性で、また恋をしそうになったのはここだけの話。
 
◎もう君以外愛せない
2日目の公演も中盤に差し掛かった頃でした。「つよしくんさあ、ズレても良いからさあ、一緒に一曲やってみない?もうなんでもありでしょ!」と突然の提案。つよしくんの顔には若干の困惑が漂っていました。「ちょっと突っ込み気味で歌ってもらえればさあ、ズレてもいいから!」「バラードのがやりやすいと思うんだよね、う君以外愛せないとか!」「サビは一緒にやると大変なことになるからソロパートだけでも!」珍しいほど押しの強い光一さん。「いいけどここカラオケBOXみたい…」とこぼすつよしくんに「はいもう始まるよ!」と半ば強引にイントロへ。最初の光一さんパートが終わると、少しだけ遅れてつよしくんの声が響き渡り、会場には自然と拍手が沸き起こりました。このときモニターに向かって頷きながら指で小さくOKのサインを出す光一さんの顔付きはとても神妙で、涙を堪えているようにさえ見えたりもして。サビを終えると本来はユニゾンで2番のAメロ。しかし光一さんは「ここふたりだけどつよしくん歌って!」と促します。やはり少しのズレはありましたが、そんなことはどうでもよくなるほど想いのこもった歌声。事件が起こったのは最後の最後、つよしくんのソロパートでした。「もう君以外愛せない今ここに君と約束するよ」をかなり突っ込み気味に歌い始めたつよしくん。こちらの伴奏とぴったり合う瞬間があったのです。さらに歌い終わりのrit.をかけるつよしくんにピアノ伴奏がぴたりと寄り添い、終わってみればいつもとなんら変わらないフィナーレ。信じられませんでした。つよしくんの技量、バンドのみなさんの技量は言うまでもないですが、何より胸に響いたのは「信じる力」でした。奇跡は起こる。陳腐な言い方にはなりますが、運命と絆で結ばれたふたりに物理的な距離が勝てる筈がなかったのです。息ができないほどに泣きじゃくりました。
 
 
◎突発LOVE1日目
陽もすっかり落ち花火も収まってきた頃、光一さんの口からとんでもない情報が発表されました。「実は今堂島くんと作っている曲があって、詞はつよしくんに書いてもらうことになっている。まだ制作途中でデモの段階だけど、ラララで歌ってみたい」。光一さんは普段から、制作段階や不完全なものを客に見せることはしてきませんでした。そんな光一さんが何故こんなことを言い出したのかは、ふたりの会話を聞くうちに分かってきます。作詞は以前からお願いしていたものの入院中はやはり詞が書けなかったつよしくん。光一さんはそんなつよしくんに会場での歌唱風景を見せることで、イマジネーションの助けになればと思ったというのです。光一さんは本気でした。ラララで歌い上げられたその曲は堂島さんのさわやかでキラキラしたサウンドと光一さんのどこか切なく美しい旋律が融合した青春ポップス。イントロから胸が締め付けられてまた泣きました。光一さんも何度も強調していたようにこの曲のポイントは大サビでふたりがそれぞれ別のメロディを歌い(この日は堂島くんが一緒に歌ってくれました)、最後にはまたひとつになって終わるところ。嗚呼この人はどこまでロマンチストなのでしょう。堂島さんの歌が聴けたのはとても贅沢でしたが、ふたりの声で歌われるこの大サビを早く聴きたいと強く思いました。歌唱を終えると、この曲に詞を書いていつかふたりで歌うことを約束してほしいと真剣な目で語り掛ける光一さん。対するつよしくんも「実は自分も今作っている曲がある。光一に詞を書いてほしい」と驚きの発表を。一度は「俺はもう詞は書きたく…」と言いかけた光一さんでしたが、自分が約束してもらったのだからとその言葉を飲み込んだのがとても印象的でした。そして「どう?なんか浮かびそう?」と優しく問いかける光一さんにつよしくんがなんとなく浮かんできたと話したフレーズは「言葉のないメロディを口ずさむ勇気を持つ僕達」。嗚呼もうこの人もどこまでロマンチストなのでry。光一さんのエールの送り方は結果的に大正解で、つよしくんのもとにこんな素敵なフレーズが降りてくる瞬間の目撃者となれたことはきっと忘れられないと思います。
 
◎突発LOVE2日目
2日目、大感動のもう君以外愛せないが終わると「最近はネットとかで情報がたくさん流れているのでご存じの方もいるかもしれませんが…」と話題にしたのはやはり突発LOVEでした。なんとこの日の午後、つよしくんがザーッと詞を書いてきてくれたというのです。入院中全く浮かばなかった詞を、数時間で形にしてきたというのです。光一さんが無理やりにでも昨日歌ったことが本当につよしくんの力になったのかも…という推測は、スケッチブックに書いた詞がモニターに映った瞬間に確信に変わりました。離れた夜空(そら)に咲く花」「言葉のないこのメロディも聞こえないそのメロディも」「虹うつ愛のネオンが綺麗」女性詞で美しく表現されていたのはまさしく昨日の光景でした。光一さんの音に乗ったその歌詞はより一層切なく綺麗で胸を打ち、枯れるほど泣いた筈なのにとめどなく涙が溢れました。歌が終わると「あ、ごめんあそこ歌詞足りなかった?」「大丈夫、足して歌っちゃったなどと早速微調整に入るふたり。光一さんはあっごめん普通に制作しちゃった」と謝ってくれましたがふたりの制作活動を生で見られるほどの幸せは他にありません。さらにこの時歌詞が足りないと思ったつよしくんが書き足したフレーズは会いたいよ」。もう言葉がありませんでした。どうしてこのふたりはこんなにも運命に愛されてしまうのでしょう。
 
◎Anniversary
最後の曲として用意されていたのはAnniversaryでした。ここでもつよしくんのパートを歌うのはファン一同。上手に立つ光一さんは迷わずハモパートを歌います。モニターを見ていると、時たま真上からのアングルがあることに気付きました。よく見ると光一さんのシンメの位置に、しっかりとピンスポが当たっていたのです。必ずまたここでふたりで歌うんだ、その場所は絶対に守るんだ、チームKinKiの痛いほどの愛でした。間奏を終えての大サビ。その歌いだしは光一さんの合図でファンに委ねられました。その日1番の大合唱が響き渡ると光一さんの歌声も重なり曲はクライマックスへ(2日目はここで伴奏もボリュームを下げてくださいました)。つよしくんは曲中ずっとスケッチブックに走らせていたペンを置き、感謝の気持ちを込めたイラストをこちらに向けてくれました。光一さんが最後の挨拶を述べると、もう一度大サビへ。途端にそこまでひとつも使用されなかった特効がこれでもかと打ち上がり、ふたりの20周年を鮮烈に祝います。桜木町の花火を他人のだからタダでみちゃだめ!」なんて言っていたのに、ちゃんと自分たちでも用意してくれていたのです。一般論として、花火に籠められるのは祈りです。それは鎮魂であったり復興であったり、何か大きなものへの願いが籠められるものが花火です。ふたりがずっとふたりでいられますようにそんな満場一致の祈りは神様に届いたでしょうか。
 
 
「つよしくんいつもので終わろ!いくよ!」
(なお2日目はWe are KinKi Kids
 
大きいつよしくん小さい光一さんが手を取り合ってPartyは終幕を迎えました。
 
 
ふたりから受け取ったメッセージはKinKi Kidsを諦めない」ということ。
 
つよしくんの居場所を守り続けた光一さん。
 
「諦めのキスはまだしないよ」と歌詞を綴ったつよしくん。
 
 
20周年は大きな到達点ではあるけれど、ふたりの、ふたりでの人生はまだまだ続きます。もちろんふたり揃った姿を見られなかったのは残念ですが、人生にはいろいろなことがあるのです。一瞬の夢の時間も素敵だけれど、ふたりと同じ時代をこうして生きている実感が何より幸せなのだと気付かされた2日間でもありました。
 
ふたりは何度も伝えてくれました。
 
僕達とスタッフとバンドとファンのこの関係性がなければこんなことは絶対にできなかった」
「(チケットの払い戻しもできたのに)みんなが笑顔で集まってくれてよかった」
 
おこがましいのは百も承知で自惚れたことを言わせてもらえるなら、今回のPartyが中止にならなかったのは、ふたりができると判断してくれたのは、私達ファンのことを信じて甘えてくれたからだと思うのです。私達の愛が届いていたからだと思うのです。
 
覚えているでしょうか。Mコンで歌われた「僕らの未来」。ふたりの歌う未来には、ふたりの背中越しの私達がいました。彼らの描く未来の中に私達がいる。それはもはや愛すら超えた何かでした。
 
私達はふたりに何を返せるでしょうか。きっとひとりひとりにできることは少ないでしょう。でもふたりが歩き続けるのは不確かで硝子のような世界です。当たり前のことなんてひとつもありません。KinKiは運命真理ですが、同時にであり執着だったのです。ふたりがずっとずっと守ってきてくれた場所。力になれるかは分からないけど、ふたりはふたり以外にKinKiを背負わせたりしないだろうけど、ほんの少しでも一緒にこの場所を守れたらと強く思いました。
 
幸せばかりではなかったこの1ヶ月を、
でも愛しかなかったこの1ヶ月を、
私は決して忘れることはないでしょう。
 
 
 
改めてデビュー20周年おめでとう。
 
そしてありがとう。
 
ずっとずっと、
 
ずっとふたりで。
 
 
 
 
 
 
 
 

一粒のshooting star~伝説の少女を知らない五関担が観月ありさ様のコンサートにお邪魔してきた話~

それは4月のある昼下がりのこと。

 

「Reading Concert Vol.1『25HEART』~少女は伝説になった~」
五関晃一の出演が決定いたしました!
 
…何事だ????
 
ごせ子が伝説になったのか????
 
多くのえび担がごせ子のソロコンが決まってしまったのかと震える中、徐々にそれが観月ありささんのコンサートらしいということが判明しました。
 
でも、なんでまた?
リーディングコンサートとは?
vol.1とは?
 
多くの疑問が浮かんだまま申し込みを済ませ、息をするようにチケット代を振り込むおたく達。
 
発表されてたったの1か月で恵比寿公演の日はやってきました。
 
ジャニオタには馴染みのない会場。
遅れる開場。
伸びるドリンク引換列。
溢れる関係者。
 
観月さんのファンにジャニオタヅカオタが入り乱れ微妙な緊張感が漂う客席を和らげてくれたのは、開演前アナウンスを自ら読み上げる観月さんのお茶目さでした。
 
客席の明かりが消えバンドの演奏が始まるとデビューからの軌跡がスクリーンに映し出されます。そして次の瞬間ステージの真ん中に現れたのは…
 
め、女神様だァ!!!!!
 
ハットの下に長い髪をなびかせた美の女神がそこに立っていました。誰のファンであろうと息をのむしかないほどの美しさ。
 
もうね、すごい。
顔がきれい。
身体が綺麗。
そしてなんといってもおみ足ですよ。
発光してるのかってぐらい輝いてるの。
本当に同じ生物なのだろうか?
 
そして失礼ながらあまり観月さんの歌手活動は存じ上げなかったのですが、とにかく歌が上手い。声まで美しい。
表現力の豊かさはいまさら私が言うまでもなく、曲の世界を情感たっぷりにまっすぐ歌い上げる声に聴き惚れてしまいました。
 
生で聴いてみてどの歌も好きになったのですが、特に感銘を受けたのは「ナースのお仕事」パートでした。御自分でも私の代名詞とおっしゃっていましたが、そんな作品を殊更に取り上げてひとつのセクションにしてしまう愛情にはグッときました。丁寧にまっすぐに向き合ってきた仕事だからこそ堂々と胸を張ってフィーチャーする。言葉でいえば簡単ですが、なかなか勇気のいることなのではないでしょうか。
 
そしていよいよリーディングパートへ。
読み上げるのはO・ヘンリーの「最後の一葉」です。
 
原作とは少し筋が違いますが、観月さんが元有名歌手のジョアンナ、舞台のど自慢で河合くんとも共演している湖月わたるさんが貧乏画家のスー、そして五関くんは若くて根暗な医師を演じます。
 
湖月さんはとにかく歌の圧がすごい。発声から立ち姿から本当に素人でも分かる宝塚感が満載で、舞台映えする見た目もさることながら一瞬で客席を世界観に引きずり込む表現力は圧巻の一言でした。
 
一方の五関くんは若いお医者様の役ですが、とにかく髪型がダンディかつ可愛くさらにトレンディ何を言ってるか分からねえと思うがry
 
ダボダボのスーツは若いというより幼い印象すら与えましたが、そんなことはどうでもよくなるぐらい顔がかっこよくて声が良い。声が、良い。
 
恵比寿公演では緊張のあまり膝が震えるどころか首が震えていたいう五関くん。確かに最初の方は正直少し心配になるくらいの様子で、いつも舞台での堂々とした立ち振る舞いを見てきたファンにとっては新鮮ですらありました。
 
大阪公演では恵比寿ほどの震えはなく、おふたりに助けられながらもしっかりとお芝居に入り込んでいたように見えました。新たな挑戦の仲間に五関くんを加えてくださった観月さんには感謝しかありません。
 
そして五関くんの出番を語る上で外せないのがアメリカンジョーのコーナー。初日の衝撃たるや。
 
ジョアンナを気分転換のため外に誘い出そうとするスーとお医者さん。しかしジョアンナが落ち行く葉っぱのことを気にしているのに気付いたスーは外出を取りやめお医者さんの面白い話を聞くことをジョアンナに提案します。
 
晃一五関の????
すべらない????
話??????
 
ネタ自体はネット上で使い古されたような伝統的なアメリカンジョークばかりでしたが、そこまでおとなしく台本を読んでいたのに急に身振り手振りを交えておもしろおかしく表現しようとする五関くんの健気さとキュートさはおそらく五関担以外の観客にも伝わったようで安心しました。観月さん湖月さんも堪えきれず笑っていてくださってどれだけ心強かったか。なお五関担はそのパートがきた段階で声を出さないように口を手で覆って、ヒィヒィ言いながら結果的に祈りのポーズをとっていたので極めて通常運転だったことも申し添えます。
 
ともあれやたらと彫りの深い国籍不明年齢不詳のお医者様が謎の爪痕を残しリーディングはクライマックスを迎えます。そこで歌われるのはなんと名曲「ハナミズキ」。
五関くんと湖月さんの出番はここまでかな、と思ったのも束の間、なんとマイクを持ち始める五関くん…???
 
…う、歌ったァ!!!
観月さん湖月さんと歌ってるぞ!!!
しかも!!!オクターブ下!!!!
 
嘘でしょやだやめてえっなんなのどうして急にオスみ出してくるのえっ???
 
もうびっくりしすぎてほんとにハトが豆鉄砲喰らったみたいな顔してたと思う。もちろんふたりの歌には遠く及ばないんだけど、でも噛み締めながら低音で支える五関くんはかっこよかったです(デレ
 
そして呆気にとられたままゲスト出演のふたりを見送ると、コンサートのクライマックスはもちろん「伝説の少女」。
 
歌が大好きで、
14歳でこの世界に飛び込んだ少女は、
伝説になることを夢見ていたのかもしれません
 
お芝居の一遍のように語られるその言葉に、少女だった観月ありさがスーパースター「観月ありさになるまでの道のりを想って涙が出そうでした。観月さんは「いろいろありました」くらいにしか言わないけれど、きっと並大抵の人生ではなかった筈です。それでも前を向き、自分らしく輝き続けることをやめなかった25年、その結果が今ここにある幸せなのです。それにこんな形で触れることができて本当に有難いと思います。
 
目映い光に包まれ天女のようにステージを去るありさ様。
当然拍手が鳴りやむことはありません。
 
アンコールに応え再び降臨された天女様はポニーテールにツアータオル、ツアーTシャツ、そして、なんと、デニムのホットパンツをお召しになっているではありませんか…生足魅惑のマーメイド(©レボレボ)…
 
会場の盛り上がりも最高潮に達したところでアンコール2曲目は「TOO SHY SHY BOY!」、ここでツアーT姿の湖月さんと五関くんも再び登場します。
 
ゲストのおふたりから一言、ということでまずは湖月さん。「私は本当に昔から朝倉いずみちゃんの大大大ファンで…!」と先ほどまでの凛々しい立ち姿が嘘のように(?)ひとりのファンとしての想いを伝えているのがベリーキュートでした。一方の五関くんは客席の歓声に控えめに応えつつ、25周年のアニバーサリー(五関くんくらいになると、ね)に呼んでいただけた感謝を述べ、頭を下げます。
 
と、そこで観月さんから「五関くん、これから歌う曲に振付してくれたんだよね!」と衝撃の発表が。
 
謙虚に微笑んで頷いたその人。
「振付なんて大それたものじゃありません、僕からの提案です」
「もし右手にお時間がありましたらどうぞやってみてください」
なんてどこまでも控えめにお願いするのが如何にも五関くんらしくて笑いました。
 
振付自体は右手を4回振り上げて降ろすだけの本当に簡単なものでしたが、それまで各々自由に立ったり座ったりしていた客席が総立ちになりひとつの振付でまとまる様子は圧巻で、客席のレベルを考えつつ一体感を確実に作り上げてくる五関くんの仕事ぶりがとても誇らしかったです。五関くんはもちろんダンスが得意で大好きだというのもあるでしょうが、自分たちのコンサートの良いところは一体感だと常々言っていて、そのツールとしての振付を自ら買って出ているのだろうなという推測が確信に変わった瞬間でした。
 
最後の曲が終わるとありさ一座に入れてもらい客席に礼をする五関くん…ねえ待っていつの間にベースの方と仲良くなったの!?自担の人たらしぶりにまた驚かされるなどしているうちにありさ様は下界に手を振って楽園へお帰りになり、コンサートは終幕したのでした。
 
もちろんカタカナ案件なので言いたいことはたくさんありますが、25年もの間に数えきれないほどの人と共演してきたありさ様が、元宝塚トップスターの湖月わたるさんと共に五関くんを選んでくださったことがまずは本当に有難く、ありさ様とスタッフの皆様に心より感謝を申し上げます。そして湖月さん、このリーディングコンサートでも舞台のど自慢でも、ステージを引っ張る鮮烈な表現力を存分に見せていただきありがとうございました。タイトル通りハートフルで素敵なコンサートでした。
 
五関くんは自分のコンサートでも外部舞台でもない初めての経験、どうでしたか?
緊張していたけど、楽しかったですか?
 
ライトに映える色もダンディでトレンディなセットもマーベラスに上品だった髪の毛、見惚れるほど美しい肌、まっすぐな眉に綺麗な二重、揺れる睫毛に瞳の色と涙袋、少しだけ震えていた大きな手、伸びしろのある表現と心を掴んで離さない声、アメリカンジョークをやりきる思い切りと最後の最後でスベリ芸ぶっこむ舞台度胸、謙虚な姿勢に完璧な振付仕事、貴方が貴方として求められた役割をこなす姿が愛おしくて仕方ありませんでした。来年も呼んでくださいなんてちゃっかりお願いしていましたが、その願いが叶うように微力ながら応援させてもらいますね。
 
そして最後になりますが観月ありさ様、
デビュー25周年本当に本当におめでとうございます!!
 
ヴァイオラ嬢を一目見たときから圧倒的な陽のオーラに感動していましたが、女神のような美しさと愛嬌と豊かな歌声と垣間見える反骨心、観月さんの魅力が詰まったあたたかいコンサートにお邪魔させていただけて本当に幸せでした。これからもどうか、大好きな歌を歌い続けてくださいね。この素晴らしい御縁が続きますように。
 
 
 
 
 
 
 
 

貴方は僕らの希望

 

君を夏の一日と比べてみようか

 

君の方が美しく

 

ずっと、穏やかだ

 

 

 

親愛なる五関晃一様、

32歳のお誕生日

おめでとうございます。

 

 

31歳の貴方を1日残さず愛することができて

私は幸せでした。

 

青いスーツもライダースも

女優帽も長い金髪も、

 

貴方のくれたときめきのすべてが

私の宝物です。

 

32歳の貴方と見られる景色は

どんなに輝いているでしょう。

 

貴方の夢はさらに鮮やかに

美しく煌めいているでしょうか。

 

私はほんの少しでも、

そのお手伝いができているでしょうか。

 

 

生まれてきてくれてありがとう

 

諦めずにいてくれてありがとう

 

出会ってくれてありがとう

 

たくさんの夢をありがとう

 

 

ありがとうじゃ足りなくて、

言葉じゃとても表せないけど。

 

どうかこの1年も

貴方らしく穏やかに笑っていてください。

 

どうか飽きることなく、

目一杯の愛を贈らせてください。

 

 

本当におめでとう。

愛しています。

 

どうか素晴らしい1日に、

そして1年になりますように。

 

 

深夜零時の鐘を掻き消すくらいに

 

幸せ願う歌よ響き渡れ

 

 

 

価値のある使命、或いは親愛なるハリーへ

Defiled

勝村政信×戸塚祥太

 

息遣いが聞こえる密室で事件を目撃する緊張感。淀みない会話劇から匂い立つふたりの人生。あれ以上でも以下でもない。残ったのは私達の心に沈んだ何かだけで、それを言葉にするのはとてつもなく難しい。

 

けれど。

 

私ね、学生時代、ついぞ電子辞書を使わなかったんですよ。今でも持ってはいないし、電子書籍も買ったことがない。なんでもかんでも合理化できる人が羨ましかった。でも自分がそれをしようとは思わなかった。

 

パソコンは小学生の頃からパソコンクラブに入るくらい好きだったし、高3まで持たせてもらえなかった携帯も今じゃ依存症。テクノロジーがもたらす便利さも、広がる世界の豊かさも目一杯享受してきました。

 

だけど何処かで、画一化への恐怖や合理化への嫌悪をいつも感じていました。それはとても根源的で言葉にはできない、心に広がるシミのような恐ろしさ。そして何より怖いのは、世の中の誰も私と同じことを感じていないような気がしたことでした。

 

例えば大学のゼミでは同じように感じている人達とも巡り会いました。でもそうやって世の中を語り合ったみんながそれでも「普通に」就職していくのが本当はとても怖かった。私は進むことも戻ることもできずにただただ恐怖に立ち尽くしていました。もちろん誰にもそうとは言わずに。

 

だからハリーを見てとても驚きました。彼は私だった。私が喋っているのだと思った。彼が愛するものの神聖さを語るとき、それが失われることへの抗議を叫ぶとき、私は溢れる涙を止めることができませんでした。初めて本当に分かり合える人に出会えたのかもしれない。魂が共鳴した気がしました。

 

A.B.C-Zを応援していると時たま考えることがあります。時代に忘れ去られる何かを、それでも流されず大切に思えるか。諦めずにいられるか。決して楽でない方の道を、それでも歩む覚悟があるのか。その強さを私たちは常に問われている。

 

彼は正しい。痛々しい程に鋭く正しかった。だけどどうしようもない馬鹿だ。何かを守る強さは力なんかじゃない。弱くて未熟で馬鹿な男が死んだくらいで世界は変わらない。

 

 

君のその赤子のような無垢を守るのにこの世界は辛辣すぎたね。殉教者になった気分はどう?救われたかい?でも君が本当に守りたかったものはどうなった?

 

だから、だからさ、死ぬなよ。私は貴方に生きてほしかったんだよ。このクソみたいな世界で、ちっぽけにズル賢く、それでも生きてほしかったんだよ。大切なものを大切だと言える人生を、この先も歩んでほしかったんだよ。ブライアンと友達になったりしてさ、世界の退屈な広さを知ってほしかった。

 

ねえハリー、貴方のいなくなったこの世界は相変わらずユニークさの欠片もない連中が跋扈してるよ。人々はそれをおかしいとも思わない。生き辛いったらないね。でも私は自分の大切なものの明日の為に今日も生きるよ。そして何より貴方が生きていたことと、死んだことを忘れない為に。

 

親愛なるハリー、貴方と出会えて本当に良かった。

どうか、どうか安らかに。

 

 

 

 

堪えた涙も置いてきた夢も~A.B.C-Zデビュー5周年に寄せて

祝・A.B.C-Zデビュー5周年!!!!!

 

さらにさらに

 

祝・3rdCDシングル「Reboot!!!」発売!!!!!

 

佐久間、祭だよなァ???

 

 

というわけでA.B.C-Zならびに関係者の皆様ファンの皆様、デビュー5周年おめでとうございます。ほんとにめでたい。めでたすぎてびっくりする。

 

 

 

 

「ZEROから歩き出そう」と始まった5人がいつしか「ひとつの星座」として旅立ち、「ZEROよりも強いものなどない」と胸を張るまでの5年に渡る道のり。決してまっすぐじゃなくて平坦じゃなくて、でも誰の足跡も付いていない道なき道。 もちろん、思うようにいったことばかりじゃなかった。あの頃描いた未来とは違うかもしれない。

 

でも、「形を変えいつか誰かに届け」って言える強さが5人にはある。

 

強さって優しさだ。

優しさって強さだ。

 

何度その笑顔に救われただろう。

何度その言葉に救われただろう。

どれだけの幸せを、5人に貰ったんだろう。

 

貴方たちに貰ったもの、どれだけの時間を掛ければ返すことができるのかわからない。だから、ずっとずっと一緒にいてよ。夢が叶うその日まで、そしてその先もずっと、時を超えて星を越えても。

 

 

 

具体的な夢を臆せず口にしてくれてありがとう

 

「これが俺達の最高速度」って言ってくれてありがとう

 

いつも先頭を走ってくれてありがとう

 

揺らがずにいてくれてありがとう

 

薔薇を背負ってくれてありがとう

 

5人を選び続けてくれてありがとう

 

 

愛と笑顔と幸せに溢れた1年になりますように。 

たくさんの仲間と出会う1年になりますように。

未來に繋がる1年になりますように。

 

てっぺんとろうね!!!!!

 

 

 

来る日も来る日も拍手の雨だ〜シェイクスピア物語大千秋楽を終えて

私が家族とドライブをしながら呑気に壁打ちをしていたある休日のこと。

 

「五月ちゃん、TL見た?」

 

とお友達からのDM。何事かと慌ててTLを辿ったものの、しばらくは事態が飲み込めませんでした。

 

 

 

五関くんが、

外部舞台に、

出る。

 

 

 

「五関座」とも呼ばれたABC座2016で、私は正直満足していました。えび座でこれだけの役をやらせてもらえた記憶を糧に、しばらくは生き抜けると思っていました。でもその知らせは突然にやってきた。溢れる涙を家族に悟られないよう必死でした。

 

蓋を開けてみればそこに並ぶのは錚々たる共演者の名前。本人の気合の入り方も言葉の端々から伝わってきて、幕が開くその日が楽しみで仕方ありませんでした。脚本家の名前にほんの少し眩暈を覚えましたが、まずは信じることが先だと自分に言い聞かせました。

 

そして迎えた初日。最初の率直な感想は「ホッとした」でした。確かに暗転が長過ぎるとか大道具の搬入が丸見えとかツッコミどころはたくさんあったのですが、何よりもまずストーリーが破綻していない。舞台ならではの生の時間を大切にしている。あの夏の呪いに未だ囚われる私にはそれだけで充分でした。

 

そして遂に姿を見せたネッド・アレンは、自信家で友情に厚く、スマートに遊びながらも舞台に命を懸ける立派な座長。途轍もなく魅力的なスター俳優でした。中の人と変わらないじゃんって意見もあったそうですが、ネッドを地で行くって相当チートじゃない???

 

優雅に踊る姿も一気に場を支配するその声も繊細な瞳の芝居も激しく叙情的な手も、舞台の成功の為に正しくまっすぐに使われていました。あの番手で求められることを期待通りかそれ以上にやり遂げた彼を、私は誇りに思います。彼がカンパニーに愛されていたのもきっとその尽力があったから。本当にお疲れ様でした。

 

そしてここからは共演者の皆様の話を。

 

まずはエドワード役の黒川ティムくん。難しい役どころを立派にやり遂げる姿とカテコで見せるキュートさにやられました。ティムくんファンの方と五関担の間でちょいちょいTwitter上の交流も見られたりして、座組の雰囲気が客席にまで伝播したような素敵な出会いでした。

 

エリザベス女王、そしてダンカン・ランズウィックを演じた十朱幸代さん。小柄でありながら圧倒的な存在感で、女王やダンカンが口を開くと空気がピリッと引き締まったのを感じました。特に大千秋楽のヴァイオラの正体がバレた後のダンカンの芝居が本当にグッときた。カテコ挨拶で女王としての言葉をくださるのもとても素敵でした。

 

ビアトリス、マーガレットを演じた小川菜摘さん。美と教養を備えつつ現実的な感覚を持つ肝っ玉女主人ビアトリスがとても好きでした。一方のマーガレットは物語上悪役の要素もありながら常にヴァイオラへの愛が滲むようなお芝居で、早替えも含めて感服しっぱなし。「これが真実。あたしはお前さんを行かせないよ!」って大見栄きるところは毎回鳥肌が立ちました。カテコでは隣の五関くんをたくさん構ってくれてありがとうございました。

 

ヴァイオラを演じた観月ありささん。御顔の美しさ、スタイルの良さ、空間全てを満たす「陽」の気、伝説の美少女は伊達じゃないと思い知らされました。舞台にいるだけでパッと周りに花が咲くのが見えたし、特にウェディングドレス姿はあまりに美しくて眩暈がするようでした。あどけない少女かと思えば好奇心を抑えられず飛び出していく底知れぬパワーを見せたり、御家の為に義務を果たす責任感がありながら真実の愛を希求することをやめなかったヴァイオラ。それを観月さんが演じると、役に途方も無い説得力が生まれるのです。カテコでのお茶目な姿や、客席全体に可愛らしく手を振ってくれる姿も忘れられません。強く美しいヴァイオラを生きてくれてありがとうございました。

 

そして最後にシェイクスピア上川隆也さん。板の上で生きるウィルは真実の愛に生きた人でした。恋に仕事に思い悩むウィルは私達のイメージしてきた「シェイクスピア」とは違いいつも人間らしくて、暖かく真摯な、そして大きな男でした。相手がどんな芝居をしてきてもきっちり合わせてくるところ、もがき苦しむ心情を表す細やかな演技、優しく甘く力強い声、劇中劇の大熱演、日に日に増えていくアドリブ、どれをとっても本当に魅力的でした。そして何よりも座長として大ベテランから初舞台の役者までを統率しあんなにも暖かい座組をまとめあげてくださったこと、一出演者のファンとしてどんなに感謝しても足りません。初の単独外部舞台で思い悩むこともあった五関くんを優しく受け止めてくださり、板の上でもこちらが恐縮するほど持ち上げてくださり、本当にこの仕事は私達ファンにとっても夢のような時間でした。何度でも何度でも、心からの感謝を。

 

他にも五関くんと公私ともに仲良くしてくださった我善導さん、私に萌えという感情を教えてくれた藤本隆宏さん、文字通り命懸けで舞台に取り組んでくださった秋野太作さんなどなど、26人全てのキャストにありがとうの気持ちでいっぱいです。

 

大千秋楽のカーテンコール特別挨拶、座長の上川さんがこんなことを仰っていました。

 

「舞台は生き物です。僕達がここをハケて幕が降りて皆様が客席を出たら、シェイクスピア物語はこの世から消えてなくなります。でもどうか、皆様の頭の中に、この物語を置いていてくだされば幸いです」

 

舞台が生き物であるということはSHOCKで嫌という程学んできたつもりだったけれど、生き物には死があるということに初めて気付かされました。再演が約束されている舞台なんてない。生を受けたものは必ず死にゆくのです。だからこそその刹那は眩いほどに輝くのです。五関くんが出会ったこの物語は、ずっとずっと忘れずにいたい、そう思える舞台でした。

 

だから寂しいけど敢えて言います。

百回でも、千回でも、さようなら。

また会う日まで。