星の彼方 雲の隙間

声が届かなくても想ってるよ

じぇっとなどぅーするらいふなう〜JW初日メモ

行ってきましたJW初日。何度見ても感想はまとまる気がしないですがとりあえずメモだけ残しておきます。

◎開演前
スクリーンにじゃにーずわーるどの文字と共に映し出される歴代ジャニーズのステージ。先輩のものも含めコン映像や舞台映像が30秒くらいずつ流れていきます。中でも印象的だったのは6人時代のかつんのコン映像で仁がアップになって客席がざわついた瞬間w人数系のトラウマがある人やたまアリの傷が癒えてない人は気をつけましょう。

◎オープニング
遅れて入ってくる親子連れが最前センターに座ると係員が駆け寄り「場内での御飲食は…」と注意。すると下手から出てくる内Pが「あとは私が」と親子に近付きます。男の子に話し掛けるとお決まりの子連れフライングwそこからショーがスタートします。なおこの内Pのくだり中も開演前から流れていたジャニーズ映像は流れっぱなしで、しかもえび座映像だったのでどっち見れば良いの!?みたいになりました。

◎えび登場
開幕10分後。「世界に羽ばたくエンターテイナー」というような紹介をされ、えびの写真がプリントされたパネルが交差すると5人の登場です。最初はメンカラキラキラ衣装だったかな?挨拶代わりのアクロバットで塚ちゃんがめっちゃ捻り入れててカッコよかった。流れとか忘れたけどそのあとおそろしいほどに着膨れしたゴテゴテスーツに着替えると早替えを繰り返して和パフォーマンスへ。白い大扇子にプロジェクションマッピングのような感じで炎が映し出されるのが面白かった。これからさらに改良されたら凄そう。あとは定番のmaskも光ってたりして新しかったし、太鼓叩くえびも初めて見たから滾ったかな。

◎フライング
順番前後してるかもしれないけど帝劇でまさかのラブスパ復活でいきなり頭パーンとなる河五厨。生で見るのが初めてだった私は即死。その後けんしょりも同じようなことやってたけど迫力が違う。というか見てるこっちの気持ちが違う。尊い。河五尊い。確か他のメンバーもフライングしてたけど記憶がないごめん。

◎ノッティナ
JWは去年一度見ただけだったのでおおこれが噂の…!という感じでした。あれは確かにジャニオタ絶対好きなやつ。通路にちびじゅがでてきてバレーの応援する風船みたいなのを振ってたのが狂気に溢れててこれぞじゃにーずわーるど!って思った。

設計士役の戸塚さんは台詞減ってて旨みなし。全体的に戸塚さんは長台詞担当だったけどニッキ舞台に比べたら全然少ないので物足りない。しかし紗幕の向こうで舞う五関さんを見つけた瞬間に全ては吹き飛びました。もしかしてなくなるかもって思ってたので逆転勝訴です。双眼鏡を持つのも忘れるほどの美しさ。USAを従えて踊るスターダンサーは狭い空間を物ともせず、強くしなやかに空間を支配していました。船が氷山にぶつかって立てなくなっても、客や楽隊まで逃げ出す騒ぎになっても、周りに声をかけ踊り続けるスターダンサー。最後には誰もいなくなったステージで「こんな時まで踊り続けるなんて狂ってるよな…」と、諦念ともプライドともつかない笑みを浮かべて独りごちる姿は儚くてとても綺麗で、心を奪われました。ショービジネス要素が減った今回のJWで唯一しょーまっそを体現していたスターダンサーを演じるのが奇しくもコウイチというね。うん。ここは私だけ分かればいいです。

ここのはしちゃんの軍服コート?と淡々と第三者のように語る姿が大好きだったのでまた見れて良かった。演技も更に良くなってたんじゃないかなあ。流石の存在感です。レポーターの塚ちゃんは衣装がすごく似合ってるよね。墜落してからの演技でもうちょっとシリアス感を出せるとよいのではないかと。

かわいくんとJr.たちが黒コートに地球を抱えて登場。かわいくんは日本軍の司令官みたいな感じで国民に呼び掛けるんだけど、ここの芝居がめちゃめちゃ良かった。強く、淀みなく、どこか狂気を感じるほどの美しさで。でもそのあと前に出てきたかと思うとコートの中から白いニョキっとした何かが出てきて、それは狂気とか亡霊とかそういった類のものを象徴していたんだろうけれど、かわいくんの美しさも相俟ってとにかく怖かった。戦争はただひたすらに恐ろしかった。そうかと思うと突如グレーのコート姿でフライングしてくる五関くん。「戦争を起こしてはいけない!誓おう!繰り返さないと!」みたいな超絶強くてカッコいい台詞をおっきい声で訴えてきます。流石カンパニー最年長。自担はこの役を任される人なのだなあと感慨深いものがありました。

◎オリンピック
オリンピックについての口上がおわり再び幕が開くとそこには5ringsと5starが!!無条件に!!滾る!!舞台で見る装置やっぱ良いですねー。5ringsにJr.が入ったのはちょっと謎だったけども。

◎龍神〜殺陣
この辺はほとんどえびでないんだけどやっぱ龍神出てきてからがジャニーズみたいなとこあるよね。無駄にワクワクするよね。龍神はヒンデンブルクみたいにオケピから飛び出す風船なんだけど、やたらクオリティ高くて笑った。しようくんのフライング去年より良くなってた気がしたな。上手端でよく見えなかったんだけどカイトが龍神に攫われて勝利平野永瀬が助けに行く的な流れだったのかな?舞台奥で吊るされてるカイトが可哀想すぎてちょっと笑った。ここで龍神の味方するのが健人なんだっけ?自然対人類の構図で、健人が勝利に言い返す言葉がとても示唆に富んでいて良かったですね。殺陣に関してはもうみなさん仰るように絶対に笑ってはいけないジャニーズワールドでした。水演出はないわJr.が謎の歌唱力で演歌歌い始めるわ、ぽかーんとするしかなかったです。肝心の殺陣が良ければここまで酷評されずに済んだかもしれないけどね。よくわからないまま終わったんだよね。そして最後に客席に向け発射されたキャノン砲からは大量の雪。視界を遮られ髪も服も鞄も雪まみれにされ客席がざわつく中、無情にも幕は降りていきます。幕間に掃除が入る訳でもないし、全然締まらないまま1幕終わっちゃうし、せっかく美容院いってきた髪が雪まみれだし、ちょっとこれはほんとにやめたほうが良いと思った。

◎2幕OP〜闇を突き抜けて
えびがいないので超ざっくりまとめます。定番のハイパーちびじゅタイムでセットのLEDパネルに過去のJr.ユニットの名前がたくさん流れるんですが、当然もういないユニットがほとんどで、ジャニーズの闇()って感じでした。最後はみんなでクリスマスソング歌って大団円の中、上手下手のマンションにすのが出てきてJr.を褒めるくだりがあるんですが、さっくんの台詞に全然気持ちがこもってなくて最高に推せると思いました。闇を突き抜けてはえびもいないし脱がないしはい解散て感じ。曲自体はすごく好きだけどね。

A.B.C-Z〜great5
まさかの!まさかの!
A.B.C-Z(曲)キタ━━━(゚∀゚)━━━!!! 

えび座でやたらとPZ映像流してたのは壮大な前フリだったんですねかわいくん???合いの手やりたいけどそういう雰囲気ではなかったのがとても残念ですが個人的には好きな曲だし生で見るのが初めてだったのでとても嬉しかったです。

そして!ついに!帝劇で!
great5キタ━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━!!

早替えで例の金黒スーツになると、すのすとを従えてのG5です。2幕は宇宙の設定なので歌詞が世界最強から宇宙最強に変わっていて、ここまで存分に推されてきたすのすとを配下に置くA.B.C-Zさんまじで宇宙一つよい…!!!!って感じなんですよ。超滾る。サビだけかと思いきやほぼフルコーラスで、例の装置も出てきて、しかもゴムがメンカラになってたりと帝劇仕様。五関くんの間奏ソロダンスはありませんがこれはこれでとても良かったです。なんらかの形になってほしいなあ。

◎通路フライング
あとどこだっけかなあ、塚ちゃんときんぐのくだり(塚ちゃん初日から台詞飛ばすw)のとこかなあ?五関くんが客席フライングするんだけど着地がすぐ近くでさ、なんか楽しそうに飛んでたばかりか着地の瞬間フッと笑っててさ、超絶男前だった…好き…しぬかとおもった…。

◎少年隊メドレー
流れは忘れたけど健人に内Pの作る最高のショーを見せる場面。内Pの周りに初っ端登場するのはキラキラタキシードのえび。まいったネ今夜のイントロが鳴った瞬間のときめきは忘れられません。最高。最の高。その後も曲があんまり分からなくて申し訳ないんだけどふみとつと誰かだったり橋塚五だったりとつしょりだったりもう最初っからジャニーズ伝説少年隊編で良かったのでは!?!?みたいな勢いでテンション上がります。ジャニーさんの最高傑作はやはり少年隊だったのですね…。

◎まとめ
考えるな!!感じろ!!
これがジャニーズ帝国の狂気や!!
あと世界平和!!!!!!!!
ってな感じでした。懸念してた通り大道芸発表会な部分もあったしストーリー理解不能だしチケ代とハコに見合うかどうかはかなり疑問が残りますが、まあジャニオタの自覚があって担当が出てるなら年末に一回くらいは見ても良いかなあと思います。えび担としては全体的に出番も減ったしショーはすのすとの比重が多くなったし大事なシーンもハブられてるし正直なんで出てるのかわかんない部分はあります。ほんと頼むから今回限りにしていただきたい。あの子達にはもっとやるべきことがある。


そういえばお見送り無くて良かったあ…。


アイドルという希望

自分でも驚くくらい落ち込んでいる。

「もしこれが自担だったら」
「自ユニの存在に感謝しなくちゃいけない」

多くの人がそういった類のことを呟いていたけれど、そんなことは今到底考えられない。

私の周りに該当担はいないけれど、ただただその悲しみに想いを寄せるしかできない。



震えながら謝罪する亀が辛かった。

空を睨む上田くんが辛かった。

あまりにも正直なゆっちのwebのコメントが辛かった。

そのせいかは分からないけど明らかにテンションの低いつよしが辛かった。

自分のバックとして結成されたグループがこうなって何も感じない訳がないのにつよしのこともあって明るく振る舞うこーちゃんが辛かった。



何もできない。

ただ只管に無力だ。

こんな痛みや苦しさやもどかしさを抱えながら生きていくことが怖い。

こんなことなら出会わなきゃよかったのかもしれない。

アイドルという希望がただの虚構であったらどんなに良かっただろう。


この道を共に進めば僕たちはひとつ〜ABC座2015第一幕感想

ABC座2015
10/7〜10/28@日生劇場

「第1幕 サンズ・オブ・ザ・マッシュルーム」

◎オープニング
【OVERTURE〜Smiling Again】
幕が上がると裾にモフモフのついた白スーツで登場する五人。ミュージカルのオープニングにありがちな?タキシードっぽいイメージでなく、メンカラーの星が散りばめられていたり中にシルバーのネックレスをしていたりとやっぱりどこか可愛らしいA.B.C-Zの衣装が大好きでした。Smiling Againの階段を使った振付はあー舞台だなあという感じでビシバシにキラキラしていて(語彙力)素晴らしかったです。中でも階段の下から二段とばしでメンバーそれぞれが位置をズラしながら立ち、最後には一直線になるところは「惑星が重なる奇跡みたいだなあ」と思って見ていました。

そして曲が終わると河合くんから告げられる衝撃の事実。

\1幕A.B.C-Zもう出ません/

えええええええ?と困惑しているのも束の間、「プラネッツ」とかいうバンドがハコを探したものの見つからず、どうしても日生でやりたいと120万円を振り込んできたというのです。このくだりでいつも「ハコ見つからないから日生劇場ってどんだけ贅沢なんですか」ってボソッと突っ込む五関くんが好きでした。しかし120万てどうなんですか?安いですよね?毎公演もらってたのかな?←

◎プロローグ
★レコードショップ ゴロー
オープニングトークをしていると上手の扉から3人の若者が。郁人の「ギター持ってるからプラネッツのファンかな?」という問い掛けに首を振る3人。公演後半からは何故か原くん弄りも交えつつ去っていく五人。ここから物語が始まります。

最初は「ギターのリフ」すらまともに言えていなかった3人(しめかけくん、原くん、目黒くんで合ってる?)が日に日に成長し、終盤にはしっかりと会場を芝居の雰囲気に誘っている姿には「Jr.には興味がない。絶対にハマらない。」と公言している私も感動を覚えずにはいられませんでした。下手から出てくるのえる、寺西、もりつぐくんは最初から割と安定してたなあ。

上手の3人がいつものように御茶ノ水にあるレコードショップゴローに顔を出すと、しめかけくんがお店のカウンターに大事に飾ってある一枚のレコードを見つけます。店主の五郎さんは懐かしそうな顔で「ここ東京にもすげーバンドがいたんだ」と語り始めて…

◎一場
【神様チャンスを】
【SEXY DRIVING】
【イージードライバー】
★2015年ライブハウス
御茶ノ水にある寂れたライブハウスではしけた五人組が演奏の真っ只中。60年代サウンドを取り入れて活動する方針を決めたばかりですが、なかなかお客はつきません。ギクシャクする五人のもとに一本の電話がかかってくるところからプラネッツの物語はスタートします。

蛍の光に合わせてシンバルを叩くフミトがかわいくて好きでした。蛍の光生演奏もどこかで聞いてみたいw芝居をしながら謎のスクワット動作を繰り返す戸塚田はどっからどう見てもチプデ。コウイチのケータイはiPhoneでしたね。電話してるときの嬉しそうな表情と大きな声が好き。

★車内
札幌のロックフェスに参加するため空港に向かう五人。高速を飛ばしているときに白猫を見つけそれを避けた五人の車は事故に遭ってしまいます。

ドライブシーンはいきなりアクロバット満載。ミュージカルっぽさに溢れていて大好きなシーンでした。イキイキと踊る五人に「やっぱこれだよねえ!」と笑顔になったひとも多いはず。SEXY DRIVINGでハンドルとシフトレバーを操るリョウスケがめちゃくちゃカッコ良かったです。

◎ニ場
★1966年 羽田空港
飛行機のタラップから降りてくる五人。その後に続いたのはなんと…マッシュルームの四人組!フミトがピンときた通り、五人は1966年にタイムスリップしてしまったのです。

「俺はあの変な階段降りたときからおかしいと思ってたんだよ!」と大きい声で流石の洞察力を発揮するコウイチと、大好きな60年代にタイムスリップして興奮するフミトに「で、どうしたいの?」と聞く優しいリョーイチが最高でした。ラムとほなみんの初登場シーンもここ。

★武道館近く
生活費を切り詰めてまでこの日を心待ちにしていた五郎さんは、武道館のすぐそばで不思議な若者と出会います。

「ロックンロール!」「シャケのベイビー!」な郁塚がサイコーにゴキゲン。いくらなんでもかわいい。寺西のウザそうな演技も見所。

◎三場
★九段下の公園
ビートルズの初来日公演を終えた五人は再び五郎さんと遭遇、バンドをやっていること、タイムスリップしてしまったことを打ち明けます。タイムスリップについては信じてくれない五郎さんですが、貧乏バンドマンを放っておけず、五人をアパートに招待。ここからバンドの運命が大きく動き出します。

冷静に興奮する五関くん、ミックジャガーの真似する五関くん、パッチンガム仕掛けられて痛っ!て言う五関くん、そのあとサイレントで「ボケが小さい」って突っ込む五関くん…最年長のキュートが際立つシーンでした。スマホが居酒屋の木札になってるくだりの戸塚さんの振り切れぶりがニッキ演出感あって良かったなあ。その後の塚ちゃんは言わずもがな。あと「作り話ではありません」から始まる戸塚さんの長台詞とそれに対しての五郎さんの台詞がとっても好きでした。ロックがスタンダードになることをこの時代のロックファンは望んでいなかったでしょう。でもショータの言うように現代には「マッシュルームの四人組の子どもたち」がたくさんいる。五郎さんもプラネッツもそうであるように。

◎四場
【ファッションショー】
【君に会いたい(Rehearsal ver.)】
★五郎のアパート
五郎さんの風呂付きアパートに招かれた五人は自分たちのことをぽつぽつと語り始めます。そこで発覚したのは、五郎さんの解散したバンドと五人のバンドが同じ「プラネッツ」という名前だということ。御丁寧にステッカーのロゴまで同じだというのです。不思議な五人組にいよいよ興味津々な五郎さん。自分と組んでみないかと持ち掛けます。そこで付けられたニックネームは以下の通り。

リョウスケ:マーキュリー(水も滴る良い男)
コウイチ:ジュピター(黙々と仕事をこなす職人気質)
ショータ:マース(目だけは笑っていない炎の男)
フミト:サターン(地響きを感じさせる勘違い)
リョーイチ:メイ珍(冥王星が英語でなんていうか分からなかったので)

シーンの冒頭にある五関くんの長台詞が大好きでした。声のトーンも速さも言い回しも全てがしっくりきて、ああこの人の芝居が好きだと思い知らされました。「枕木の音が遠くから聞こえる」とか「稀有なアクシデント」というフレーズに意味もなくキュンキュンしたのは私だけじゃないですよね??そして突如はじまるファッションショーからのラムちゃん口上。ああこれは紛れもなくニッキ舞台だ。誰ひとり似合っていないマッシュルームのカツラとビートルズ然としたカラフル衣装が、ここが異空間であることを嫌という程主張していました。メイ珍のカツラレポが毎日のように回ってきたのはえび座期間の大きな思い出です。

★酒屋の倉庫
五郎さんのアパート近くにある秘密の練習場に案内された五人は缶詰めになって夢中で練習を繰り返します。五郎さんがあたってくれたジャズ喫茶ACBでのライブも決まり、プラネッツはタイムスリップする前では考えられないほどひとつになりはじめていました。

やっちんさんのギターがめちゃめちゃカッコ良かった…!最終盤になると五郎さんにギター演奏を頼むプラネッツの団体芸もまとまってきて面白かったですね。あと毎回蹴つまずくマースが心配になるくらい全力で最高でした。

◎五場
【プラネッツメドレー(君に会いたい〜イージードライバー〜恋のドラキュラガール〜神様チャンスを)】
★ジャズ喫茶ACB
当時若手バンドの登竜門であったジャズ喫茶ACBで活動を始めたプラネッツは瞬く間に人気バンドとなり、今をときめくスターになっていきます。

ここ一番好きかも!とにかく楽しそうにアイコンタクトしながら演奏する五人が可愛くて仕方ありません。後ろのスクリーンにはレコーディング風景や雑誌撮影、女の子に追い掛けられるプラネッツ、そして双子ごせ子のシャボン玉ホリデーが…!そして何と言っても唐突にキーボードをやめタンバリンを持って踊りまくるジュピターがもう…好きしかない…!最初の頃はバンドがメインだからと遠慮がちだったジュピターも終盤に差し掛かると踊りたい衝動を抑えきれない感じが見えて最高でした。向かい合って見つめあうマーキュリーとマース、背中合わせで全力の表現を見せるジュピターとメイ珍の対比が印象的でした。サターンも歯が見えるほどの笑顔だったね。

◎六場
【Singin'for you〜涙くんさよなら】
【恋のドラキュラガール】
【PERIOD】
日劇ウェスタンカーニバル
ACBの動員記録を塗り替え、神様チャンスをがレコードになり、乗りに乗っているプラネッツ。ついに、あの日劇ウェスタンカーニバルへの出演が決まります。

マネージャーの五郎さんが客席を煽るところから始まるこのシーン。大人しく真面目なえび担は最後まで劇場で声を出すのをためらっていましたが、何故か毎回\五郎さあああん/だけは全力だったのが面白かったです。プラネッツはといえば人気の高まりの一方でだんだんとまた亀裂が生じはじめていました。有頂天になるリーダーと反発するリードボーカル、それを止められない残りのメンバー。日劇での演奏はそれぞれの複雑な思いからか以前のような勢いはありません。正直演出意図としてどのようなパフォーマンスにしたかったのかはわからないまま終わってしまいましたが、バンドバージョンの後のドラキュラガールダンスバージョンはとっても好きでした。日に日に手拍子が大きくなっていくのも、それにつられてどんどんダンスが勢いを増していくのも、声援が大好物のA.B.C-Zらしいなあという感じで楽しく見ていました。突然のアクロバットからのダンスバージョンが観客に受け入れられ、「やったな」と笑顔でメイ珍の肩をたたくジュピターと、照れ臭そうに笑顔を返すメイ珍が胸キュンポイントでした。

日劇の楽屋
自分に無断でアクロバットをはじめたリョーイチに話を通せと冷たく言い放つフミト。リョウスケにも暴言を吐き、ついに冷静なコウイチまでもがキレてしまいます。五人の喧嘩は日劇スタッフをも巻き込んだ大騒動になり…

-------PERIOD-------
「黙ってついてこい」
「お前が正しいのか」
「俺のリズムが全て」
「今更イラつくぜ」

「俺が道を拓く」
「立ち止まっている場合じゃない」

ただ嘆きもがく心 音になって響くよ
何も進まない やってられない
やめろ やめてくれ

憎しみに変わる心 止められずに叫ぶよ
乱すメロディー 走るリズム
バラバラのままで

離れ離れの音が五線譜を引き裂く
こんな筈じゃ このままじゃもう
僕らに迫るperiod
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1幕最大の見せ場はここだと思います。タイムスリップしてようやくひとつになったバンドが、また些細なことから瓦解してしまう様は目を背けたくなるほど切なく、悲しく、気付けば泣きながら見るようになっていました。リーダーであるフミトの苦悩や憤りを少しでも描いてくれればもうちょっと深い理解もできたかもしれないのでそこだけは残念でしたが、とにもかくにもこのシーンは五人の迫力ある演技とダンスが素晴らしく、何度でも見たい名場面でした。フミトの突然の怒りに戸惑うリョーイチ、もう反発の怒りを止めることのできないリョウスケ、兄のようにリョウスケをなだめフミトを止めようとするショータ、バンドの為に最後まで冷静でいようと努めたコウイチ、そしてゾクゾクするような顔で怒りを表すフミト。全員の表現が胸に迫ってきました。劇中歌periodの歌詞や振り付けや不協和音、全てがシーンとマッチしていて、ヘタなミュージカルにありがちな違和感が全くなかったのもよく考えると凄いことだなあと思います。音源化切望。

◎七場
★酒屋の倉庫
「俺のスタジオの夢もまたお預けかあ…」バラバラになるプラネッツを見て五郎さんはしみじみと呟きます。諭すように優しい口調で昔の話をしてくれる五郎さん。五人も我に返りじっと聞き入るのでした。五郎さんが帰ると口を開くリョウスケ。このままここにいるべきなのか、帰ってゼロからやり直すべきなのか、五人の未来を巡って再びリョウスケとフミトは対立します。そんな中ラムがいないことに気付いたリョウスケは倉庫を飛び出して…

プラネッツに五郎さんがいて本当に良かったなあというこのシーン。喧嘩の後の苛立った表情がだんだんといじけたような少し泣きそうな顔になり、五郎さんの話を聞いてハッと我に返っていくという五人の演技の流れが印象的でした。しかしリョウスケはどうしてあんなことを言い出したのでしょうか。本当にフミトが指摘したような考えからだったのでしょうか。孤児の設定も含めて「平成」への想いをフラッシュバックさせてる…というのは考えすぎかな。

◎八場
【Tommorow】
★和解
ラムを助けるため道路に飛び出し帰らぬ人となったリョウスケ。ラムはいつもリョウスケから四人の話を聞かされていました。落ち込んでいると変な顔をして笑わせてくれるリョーイチ、ギターの話をしだすと朝まで終わらないショータ、言葉遣いを教えてくれたコウイチ、そして、いつもいつも兄弟のように喧嘩をしていたフミト。「本当はどっちでも良かったんだ…マーキュリーとずっとバンドをしていたかった!兄弟喧嘩をしていたかった!家族、だからな…」フミトは自分の本当の気持ちにようやく気付きます。リョウスケに2度も命を救われたラムが全身全霊を込めて神様に祈りを捧げると、その想いはコウイチに乗り移り…

最初に見たときはあまりの急展開に全くついていけなかったこのシーンですが、何回か見ている内に芝居にグッとくるようになり、気付けばジュピターの舞に涙が溢れていました。本当に、本当に美しかった。何故それが彼だったのかは分かりませんが、ジュピターの予想できない動きに照明がほんの少し遅れてついてくるのは、ラムの魂が乗り移ったことを表していたのでしょうか。マーキュリーが復活した瞬間、泣きそうな顔でフッと微笑むジュピターはあまりにも絵画のようで、言葉ではとても言い表せない気持ちが込み上げたのを覚えています。その後スクリーンに流れたプラネッツと五郎さんのオフショットは是非ともジャニショで販売していただきたい。

◎九場
★酒屋の倉庫
ラムの祈りが神様に届き無事現代に帰ることのできたプラネッツ。そこは2016年、あれから50年後の御茶ノ水でした。酒屋の倉庫を探す五人は不思議な雰囲気を持つ穂波さんと出会い、ようやくスタジオとしてオープンした思い出の場所へ。すっかりおじいさんになった五郎さんと感動の再会を果たします。

五郎さんの演技が本当に良かった。忽然と消えたプラネッツを待ちながらスタジオを作るという夢のために1人で苦労してきた背中は少し寂しくてあの頃より小さく見えたのに、突如現れた五人を見たその顔は「もう思い残すことはない」と言い出しそうなくらい嬉しそうで。「夢ってのは、時間がかかればかかっただけ、嬉しいよなあ…」という台詞にはついA.B.C-Zを重ね合わせて泣きました。どんな形であれ、プラネッツは現代でも五人でバンドを続けていくことでしょう。幸せな幸せな、希望のラストシーンでした。

◎フィナーレ
【神様チャンスを〜Smiling Again(Finale ver.)】
スタジオで思い出の「神様チャンスを」の生演奏を始めるプラネッツ。いつしかオープニングで歌ったSmiling Againと混ざり合い、第一幕はフィナーレを迎えます。

「間違いだらけの運命もそれなり 良いじゃないか」と歌うのはプラネッツだったのでしょうか。A.B.C-Zだったのでしょうか。既に何人もの人が指摘しているように、この第一幕はジャニーさんとA.B.C-Zの物語であったと私も思います。今回のえび座が始まった最初の頃に少し肩透かしをくらった感があったのは、これまでのえび座がかなり直截的にジャニーズのこと、そしてA.B.C-Zのことを描いてきたことから起きた反動だったのではないでしょうか。でもやはり、ABC座という舞台が表現したいことは変わっていませんでした。

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時を越えて星を超えて
変わらないものを探して

この道を共に進めば
僕たちはひとつ
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A.B.C-Zはよくタイムスリップをします。宇宙に飛び出したり、宇宙人になったりもします。変わらないことはひとつだけ。いつだって五人でひとつ。私は新規なので過去のえび座はあまりきちんと見ていませんが、繰り返しABC座が訴えてきたのはこのことなのだとTommorowを聴いて確信しました。時空を超えて続いてく伝説を体現する五人をいつまでも見届けたい。どんなことが起きても最後には彼らと共に笑っていたい。そう強く願わずにはいられません。



信じるもの見つけたから〜えび座2015の五関くんについて

冷静でしっかり者のジュピターが好きだった。

オーガナイザーからの電話に満面の笑みを浮かべるジュピターが好きだった。

笑顔が無邪気でお兄ちゃんみたいなジュピターが好きだった。

パッチンガムを仕掛けられて「ボケが小さい」と五郎さんに突っ込むジュピターが好きだった。

噛みしめるように、でも流暢に長台詞を吐くジュピターが好きだった。

月に代わってお仕置きよのポーズが日に日に長くなっていくジュピターが好きだった。

五郎さんにサマになってきたと言われてニコっと歯を見せて笑うジュピターが好きだった。

大きな手を念入りにストレッチするジュピターが好きだった。

誰が視線を向けても必ずアイコンタクトを返すジュピターが好きだった。

タンバリン持つと人が変わったように踊りまくるジュピターが好きだった。

リーダーのリードボーカルへの態度を諌めるジュピターが好きだった。

演奏後のアクロバットにみんなを誘うジュピターが好きだった。

怒り狂うリョースケを宥めるジュピターが好きだった。

存在価値を否定されてついにキレてしまうジュピターが好きだった。

5人がバラバラになって嘆きもがくジュピターが好きだった。

五郎さんに諭されていじけるみたいなジュピターが好きだった。

リョースケの死を心から悲しむジュピターが好きだった。

目を瞑って僕たちはひとつと歌い上げるジュピターが好きだった。

魂の全てを込めて舞を捧げるジュピターが好きだった。

リョースケが復活した瞬間、泣きそうに微笑むジュピターが好きだった。

最後まで舞をやりきってリョースケに駆け寄るジュピターが好きだった。

肩を組んでひとつになり嬉しそうに笑うジュピターが好きだった。

ダボダボのトレーナーを借りているジュピターが好きだった。

白金に住む高校生に殴りかかろうとするマースを止めるジュピターが好きだった。

丁寧な言葉遣いで穂波さんに話し掛けるジュピターが好きだった。

「酒って書いたエプロンしてるもんね」って誇らしげにジェスチャーして、その後ズッコケるジュピターが好きだった。

五郎さんと再会して感慨深そうに目を細めるジュピターが好きだった。

ジュピターって呼ばれたいジュピターが好きだった。

なのに3回は多い、1回で充分てジェスチャーするジュピターが好きだった。

身長差で目黒くんの手に隠れるジュピターが好きだった。

最後までノリノリで踊るジュピターが好きだった。



電飾の為の分厚い衣装でもキレキレで踊るごっちが好きだった。

台の後ろで早替えして脱ぎ散らかしたものを拾い集めるごっちが好きだった。

ジャケットの前をいつもうまく留められないごっちが好きだった。

客席の手拍子を煽るごっちが好きだった。

顔出しパネルでいつもすましてるごっちが好きだった。

「胸が破けそうだよ」で胸に手をあてるごっちが好きだった。

刀の背負い方が誰より美しくて強そうなごっちが好きだった。

大階段の真ん中で楽しそうに踊るごっちが好きだった。

御伽の国の王子様みたいにステッキを操るごっちが好きだった。

お父さんみたいに末っ子を見つめるごっちが好きだった。

ふみとつの後ろでダンスに集中する切ない顔のごっちが好きだった。

バランスボールドリブルのとき全力で下手に走るごっちが好きだった。

笑顔で寺西にボールをぶつける暴力的なごっちが好きだった。

塚ちゃんの愛を拒まないごっちが好きだった。

薄暗い照明の中で美しく低速ターンするごっちが好きだった。

階段を上がってきた末っ子と秘密のやりとりをするごっちが好きだった。

バラードなのにカウントが細か過ぎるごっちが好きだった。

客席とクラップで一体になるのを楽しんでるごっちが好きだった。

MCでひとりだけシャツを出さないごっちが好きだった。

ちびちびと水を飲み続けるごっちが好きだった。

丁寧に汗を拭き続けるごっちが好きだった。

みんなの話を楽しそうに聞くごっちが好きだった。

人をイジる時最高にイキイキしてるごっちが好きだった。

しめちゃんに美しい笑顔を向けるごっちが好きだった。

原くんに塩対応を貫くごっちが好きだった。

郁人とイチャイチャするごっちが好きだった。

一瞬で表情の切り替わるごっちが好きだった。

この世のものとは思えないくらい横顔の美しいごっちが好きだった。

だんだんとトランスしていくごっちが好きだった。

1ミリの曇りもなく自分たちを世界最強というごっちが好きだった。

四人に手を広げてからその想いを背負って一人で踊るごっちが好きだった。

クライマックスで激しく頭を振るごっちが好きだった。

拳を振り上げるごっちが好きだった。

音が鳴り止む最後の瞬間までキレキレのごっちが好きだった。


全部全部、大好きだった。


大きな声で伝えてくれてありがとう。
楽しそうに歌ってくれてありがとう。
また武器の増えたダンスを見せてくれてありがとう。
素敵な時間をありがとう。
たくさんの幸せをありがとう。
最後まで全力で駆け抜けてね。
ずっとずっと5人でいてね。

今日全てを終えた貴方が、また素晴らしい何かを掴んでいますように。

君の夢と最寄りの駅をこっそり教えてくれないかい?〜河合郁人聖誕祭に寄せて

河合郁人さん、28歳のお誕生日おめでとうございます!!!!!!!!!!!!!

どんなときもステージでイキイキと輝いている貴方が好きです。いつもそこにある貴方の笑顔がA.B.C-Zを強くする。本気でそう思っています。

A.B.C-Zを選んでくれてありがとう。

A.B.C-Zを引っ張ってくれてありがとう。

必要な役割を進んで受け入れてくれてありがとう。

いつもカンペキな演出構成をありがとう。

自分たちらしさを大事にしてくれてありがとう。

ジャニーズらしさを大事にしてくれてありがとう。

ファンを大事にしてくれてありがとう。

はしちゃんを厳しく育ててくれてありがとう。

戸塚さんの理解者でいてくれてありがとう。

塚ちゃんを受け止めてくれてありがとう。

五関くんの隣で笑っていてくれてありがとう。

河合くんがいてくれて本当に良かった。本当に嬉しい。ずっとずっとずっと、5人でいてね。これからもよろしくね。今まであったいろんなことが、河合くんのこれからの一年をこれまでで一番輝かせますように。河合くんがもっともっと夢に近付けますように。明るい未来を掴めますように。弟とお兄ちゃん達に囲まれていつも笑っていられますように。心からおめでとう。大好きだよ。





僕は言葉も手も足も出ずに雁字搦め〜サクっとえび座前半を振り返る

今年もA.B.C-Zの座長公演ABC座が始まりました。これまでは初代ジャニーズの歴史とA.B.C-Zの歴史が交錯するそりゃあもうジャニオタホイホイな演目でしたが、今年はオリジナルストーリーでA.B.C-Zがバンド演奏に挑戦することでも注目を集めています。そろそろ前半戦も終わるということでここまでをサクっと振り返ってみようかと。

☆1幕 サンズ・オブ・ザ・マッシュルーム☆
御茶ノ水の寂れたライブハウスを拠点に活動するリョウスケ、フミト、ショータ、リョーイチ、コウイチの5人組バンド「プラネッツ」は、売れたいという思いからその方向性を巡りギクシャクしていた。60年代ロックに傾倒するリーダーフミトのアイディアでGSに挑戦するプラネッツだったが、なかなか客は付かない。そんなある日GSを蘇らせるイベントのオーガナイザーに呼ばれ札幌に向かう5人だったが、高速道路の猫を避けた瞬間に何故か1966年へとタイムスリップしてしまう。ビートルズ初来日に沸く東京で自らもバンドマンだったという五郎さんに出会い、現代で貧乏バンドだった彼らの運命が大きく動いていく…。

1幕は錦織一清さんが演出、曾我泰久さんが音楽を担当するお芝居。これまでのジャニーズ伝説とは違い、完全オリジナルのストーリーに挑戦しています。錦織色が前面に押し出された独特の演出は戸塚担には既におなじみですが、初めて見る方には戸惑いもあるかもしれません。初日はネタバレ避けしてたのでTLを見ていないのですが、どうやら話の内容も含めて賛否両論あったみたいですね。まあ逆に言えば、ジャニーズの歴史や自分たちの過去を振り返る内容はある意味チートです。感動しない訳がありません。演者の気持ちの乗り方だって全く違うと思います。でも今年の彼らはそれを選ばなかった。波に乗り始めている今、あえて新しい挑戦を選んだんです。上手なやり方じゃないかもしれないけど、とっても彼ららしいんじゃないかと思います。

中身については終わってから詳しく書きますが、個人的な見所はミュージカルシーンかなと。ドライブシーンや日劇ウェスタンカーニバルの最後から楽屋での喧嘩シーン、そしてクライマックスのリョウスケ復活シーン。歌い踊る彼らはどれも楽しそうだったりカッコつけてたり壊れそうだったり祈りを捧げたり、全力の表現を見せてくれます。日に日に役柄に入り込んでいるようで、見るたびに心を揺さぶられる幅が大きくなっていくのを感じます。最初はSHOCKのオン楽屋だな???と思っていた喧嘩シーンはもはや涙なしには見られませんw千秋楽に向けて5人の個性的なお芝居もパフォーマンスまだまだ良くなっていくことでしょう。

☆2幕 We love A.B.C-Z
うってかわって2幕はジャニーさん監修のショータイム!1幕との繋がりは一切ございません!Don't think!Feeeeeeeeeel!!!!!

演出は河合くんがジャニーさんと相談しながら決めたようです。もちろん五関くんも振付で参加(その割にパンフに名前ないのが気になる。ちゃんとお金もらってるのかな…)。

話は遡りますが、サマパラのとき、もっと新しいことしてくれるかと思ったら初夏コンの簡易版で、みんなちょっとだけモヤモヤしてたじゃないですか。でも違った。A.B.C-Zの本気はやはり日生劇場にありました。劇場で輝くアイドル。異端のようでありながら彼らはジャニーズの王道を歩んでいるのです。細かいことは改めて書きますがとにかく5人が5人でカッコいい。一度もハケないというコンセプトはずっと舞台にいるというだけじゃなく、ずっと5人でいるってことなんですよね。


何度見ても新しい発見があってどんどん成長していくステージ。カンパニーが愛おしくて仕方ありません。最後まで誰も欠けることなく全力で駆け抜けられますように。この舞台を終えた5人が、また新しい何かを手にできていますように。

そこは天国か、まさか奈落の底でしょうか〜私がA.B.C-Zに転げ落ちた話

Sexy zoneは革命だった。

デビューシングルのいわゆる薔薇戦争にも1stコンサートにも参加していないけれど、Twitterで目にする彼らへの賛辞はどれも異様に熱を帯び、輝いていた。

勢いのある年上シンメ、絶対的センター、可能性の塊のような弟組。バランスのとれた完璧なグループ構成に狂気さえ感じるお耽美な演出。きっかけは覚えていないけれど、いつしか私も目が離せなくなり、FC発足時には迷いなく入会するほどになっていた。

革命だった、と書いたのはジャニーズの歴史においてということもあるけれど、私のおたく人生においても同じだった。KinKi以外のジャニーズに本気になったのは、それが初めてだった。

Sexy zoneを追うには欠かせない番組があった。ザ・少年倶楽部である。そして2012年の少年倶楽部クリスマススペシャルで、事件は起きた。

コーナーの狭間に、各グループのメンバーがクリスマスに合わせた愛の言葉をカメラ目線で投げ掛ける場面があった。なんの気なしにそれを見ていた私は、真正面から無防備でその男の言葉と笑顔に被弾することになる。

橋本良亮。

何を言ったかは覚えていない。でもとにかくそのまっすぐな言葉とはにかんだ笑顔は、確かに私を揺さぶった。

もともとA.B.C-Zにはどこか親近感を持っていたのかもしれない。昔SHOCKやきんきコンについていたらしいし、小学生の頃友人に郁人担がいた。実力派で、最近DVDデビューしたのよね。曲は良いからアルバムが出るなら欲しいなー、というような認識だった。でも当時の私はりょうすけが後から入ったことも知らなければ自分より年下だとは夢にも思わなかった(なんなら今でも信じてない)。正直顔と名前が一致していたのは郁人だけだった。少年倶楽部で見るパフォーマンスはいつもすごいなと思っていたけれど、要するに興味がなかったのである。

アイドルは顔が美しくなきゃいけない。
アイドルはこの残酷な世界の中で理不尽に選ばれた者でなくてはならない。
王道以外に価値などない。

KinKiが世界の全てだった私はなんの疑いもなくこう思っていた。Sexy zoneにハマったのも、圧倒的な美と理不尽なメンバー選考、王道のアイドル路線があったからだ。だからハッキリ言って下積みの長さが話題になるようなグループは好みではなかった。

それなのに。

その日からA.B.C-Zは気になる存在になった。はっしーと呼ばれる彼はどんな男なんだろう。どうしてあんなまっすぐな言葉を吐けて、あんな風に笑えるんだろう。あーやっぱりパフォーマンスは段違いだな。砂のグラスって良い曲だな。ジャニーさんはせくぞんとえびのどちらを海外輸出するか迷って競わせてるんじゃないだろうか…そんなことばかり考えていた。

そしてそんな生活を1年ほど続けて飛び込んできたのが、「A.B.C-Z1stアルバムリリース!」というニュースだった。今までDVDのおまけでしか聴けなかったA.B.C-Zの曲たちが全て収録された作品になるという。もう観念するしかなかった。すぐCDショップに行って予約をした。A.B.C-Zに初めてお金を使った瞬間だった。

同じ頃だったろうか、A.B.C-Zにはもうひとつニュースがあった。「えび座、異例の早さで再演決定」というものである。当時まだ現場に遠慮がちだった私はこれに申し込んでいなかったのだが、公演が始まった頃、情報メールで「特別登録」の受付があった。少し悩んだものの、どうせ当たらないだろうとダメ元で申し込んでみる。これが沼への入り口だとも知らずに。



仕事が昼で終わり、帰って昼寝をしていたある日のこと。枕元のiPhoneが大きな音で私を叩き起こした。知らない番号からの着信。普通なら迷わず拒否ボタンを押して再び眠りに就くところだった。しかし何故かその日の私は逡巡した。寝ぼけながらも、なんとなく出なくてはいけないような気がした。

「こちらジャニーズコンサート事務局です」

電話の向こうの女性は確かにそう言った。流石の私も事態を飲み込みはじめる。申し込んだ夜公演でなくその日の昼公演はどうかと問われた私は行けますと即答し、早速仕事の予定を調整した。

当たったのだ。
都市伝説だと思っていた特別登録が。

とはいえまだ「席を用意できる可能性がある」というレベルの当選で、嬉しいには嬉しいが実感はまったくなかった。いざ行ってみて入れなかったら嫌だなあという不安が拭いきれなかった。

そして当日。仕事を切り上げた私は初めての日生劇場に駆け付けた。看板を撮り、祝い花を撮り、指定された時刻きっかりにコンサート事務局の受付に行く。席が用意できた場合は改めて呼び出すのでその辺にいてくれとの指示だった。この時点ですでに開演30分前をきっていたと思う。どうなるかもわからずにひたすら入場列を眺めていた。

開演10分前。

「◯◯様ー!」

その声は確かに私を呼んだ。
ついに、A.B.C-Zに、会える。

受け取ったチケットには手書きで「GC階A列」の文字。A列という表記に驚きながらも日生に入るのが初めてだった私はどうせサイドの見切れ席とか最上階とかそんな感じだろうとたかをくくっていた。

しかし。通された席は中二階の最前列、ほぼセンターだった。その日は東宝関係者の観劇日だったようで、その余り席がまわってきたのだ。

特別登録が当たり、名前を呼ばれ、とんでもない神席がくる。もう、これは、運命だった。きんき担の大好物、運命そのものだった。

そしてついに幕が上がる。初めて見るA.B.C-Zは、舞台の上で確かに生きていた。5人の男の生き様が、そこにはあった。ジャニーズ伝説ももちろん素晴らしかったしこれを任される彼らは社長に愛されているのだろうと思ったけれど、やはり胸を打たれたのは橋本良亮加入の物語だった。

実力も人気も確かなのにデビューが遠かったA.B.C.と、自分だけ平成の仲間たちから取り残されデビューできなかったりょうすけ。この出会いもそう、運命だった。夢の為に新しいセンターを受け入れることを決めた四人の前に、圧倒的なオーラを纏った橋本良亮が現れる。腐りかける自分の心を制し、苦しみもがきながらそれを表現に昇華する、選ばれしセンターが。

再出発を遂げた5人が繰り広げる世界は夢のように輝いていた。大きな装置を魔法のように操る姿も、最大限に身体を使って表現するダンスも、飛んで回る度に光が飛び散る鮮やかな衣装も、ステージに立てる喜びを抑えきれない5人の表情も、その全てが私を魅了した。

実力のあるグループはすごい。
全員でいられるグループは強い。
愛を持ったグループはこんなにも愛おしい。

「ここにいるみんなを無理矢理にでも抱き締めたい」
「100年先も5人でやっていきます」
すっかりセンターが板についた末っ子の締めの挨拶にも順調に被弾し、終演後は気付けばグッズ売り場にいた。チケット代だってそんなに安いものではない。それでもあの子達にお金を使いたくて仕方なかった。もう完璧にやられていた。グッズだけでは貢ぎ足りずに劇場を出たその足で原宿のジャニショに向かうという、自分でも信じられない浮かれようだった。恋のドアが、確かに開いた。

その後もコンサートに行き、舞台に行き、彼らの表現をいくつも見せてもらった。どの瞬間も彼らは全力で夢に向かう。不器用でも確実に、ファンへの愛を伝えてくれる。いつもいつもまっすぐな彼らの笑顔に何回救われたことだろう。本当に出会えて良かった。

さて、そんな思い出のえび座が今年も始まる。どんな新しい彼らが見られるだろう。どんな素晴らしい景色を見せてくれるだろう。個々が世間に見つかり始めた今だからこそ、5人でいる強さを目一杯感じたいと思う。ずっとずっと、彼らと夢を見たいと思う。