星の彼方 雲の隙間

声が届かなくても想ってるよ

赤いギターに恋をした〜211の好きだったこと

暗闇でも圧倒的なオーラを放つジョンが好きだった。

 

コートを脱いだ瞬間の挑発的な目が好きだった。

 

スチュの未来がハッキリ見えるジョンが好きだった。

 

されるがまま煙草を吸う可愛さが好きだった。

 

ピカピカのベースを取り出すジョンが好きだった。

 

自分のベルトを弦に見立てるジョンが好きだった。

 

スチュを褒めちぎるジョンが好きだった。

 

左手を見せびらかすジョンが好きだった。

 

メンバーの自己紹介に顔を向けるジョンが好きだった。

 

開放弦だけのベースに合わせてグルービーに歌うジョンが好きだった。

 

スチュのクールさをドヤるジョンが好きだった。

 

バンド名を考えるスチュに少しだけハラハラしてる顔が好きだった。

 

ゴッホを超えたスチュに誇らしげなジョンが好きだった。

 

小切手を咥えるセクシーな唇が好きだった。

 

それにキスするジョンはもっと好きだった。

 

5人のセンターで音頭をとるジョンが好きだった。

 

新天地への期待を体全体で表現するジョンが好きだった。

 

ネオンに吸い寄せられるジョンが好きだった。

 

慌ててスチュを立たせるジョンが好きだった。

 

オーナーに対してもとりあえず反抗してみるジョンが好きだった。

 

ジョージの困惑をよそにカウントを取り始めるジョンが好きだった。

 

オーナーに向けて演奏しろと無言で促すジョンが好きだった。

 

マイクスタンドを正面に向け直すジョンが好きだった。

 

面白いって言いながら殴りかかるのを全力で止められるジョンが好きだった。

 

スチュが詰め寄ろうとするのを抱き止めるジョンが好きだった。

 

悪趣味なジョークで一矢報いるのが好きだった。

 

血が出るまで弾くしかないって意外とまともなのが好きだった。

 

上着を床に叩きつけるのが好きだった。

 

観客を挑発するジョンが好きだった。

 

歌声とサウンドで全てを捩じ伏せていくのが好きだった。

 

酔っ払いからスチュを守ろうとする腕が好きだった。

 

女の子に攻められて未知と遭遇するジョンが好きだった。

 

満足した女の子に軽くあしらわれるのが好きだった。

 

スチュの感謝に当たり前だろって顔するのが好きだった。

 

ふたりきりで煙草をふかして安らぎを感じてるジョンが好きだった。

 

童貞のジョージをからかうジョンが好きだった。

 

メンバーの野心を加速させるジョンが好きだった。

 

4人を先に行かせてからベッドに飛び込むのが好きだった。

 

ジョージを囃し立てる指笛が好きだった。

 

朝食のルームサービスを頑なに期待するのが好きだった。

 

先手必勝なジョンが好きだった。

 

ローザに挨拶する少し眠そうですごく優しい声色が好きだった。

 

ドラッグにも恐れず手を出すのが好きだった。

 

手を払いのけたピートを無理に誘わないのが好きだった。

 

キマりきって白目剥きながら演奏してるのが好きだった。

 

アストリッドが近付いてくるのを見て髪を撫でつけるのが好きだった。

 

煙草を差し出して火を点ける優しい手付きが好きだった。

 

キスしようとして空振るのが好きだった。

 

自分を怒ってたのが俺って形容するのが好きだった。

 

リーダーは居ないって思ってるとこが好きだった。

 

ポールの並外れた実力をちゃんと理解してるのが好きだった。

 

スチュが来て嬉しそうに笑うのが好きだった。

 

スチュのおふざけに当たり前に付き合うのが好きだった。

 

ハンブルク見学にダルそうに付き合ってるのが好きだった。

 

スチュとアストリッドの異変に敏感に気付くのが好きだった。

 

ジョージとクラウスに悪戯するジョンが好きだった。

 

ピートの髪の毛に煙を吹きかけるジョンが好きだった。

 

ポールに煙草を咥えさせるジョンが好きだった。

 

煙で輪っかを作るジョンが好きだった。

 

サルトルだってロックンロールにしちゃうジョンが好きだった。

 

カメラに向かってすごく挑発的なジョンが好きだった。

 

良いんじゃない?って笑顔を作ろうとするジョンが好きだった。

 

スチュがいないのに?って当たり前のように聞くのが好きだった。

 

睨み合いながらポールが正しいって認めるジョンが好きだった。

 

ケンプフェルトに笑顔を返すジョンが好きだった。

 

グループが偉大になることを露ほども疑わないジョンが好きだった。

 

太鼓持ちジョージを呼び戻すのが好きだった。

 

最初はおとなしそうにバックミュージシャンしてるのが好きだった。

 

バンドのターンに入ったら楽しくなっちゃうジョンが好きだった。

 

トニーが怒ってるのに気付いて演奏を止めるジョンが好きだった。

 

ボーカルRECで攻めるなって言われてるのに割と攻めてるのが好きだった。

 

何かを求めて鋭く光る瞳と渇望の歌が好きだった。

 

どこにいるんだよって独りごちるのが好きだった。

 

ラテンだなってポールにちょっかいかけるのが好きだった。

 

ワイルドにしときゃ間違いないって自信満々なジョンが好きだった。

 

ポールの曲に魔法をかけて唯一無二にしちゃうのが好きだった。

 

その時だけはスチュよりポールを向いているのが好きだった。

 

引っ越しを決めたスチュを突き放すフリをするのが好きだった。

 

ドラマティックにトップテンクラブへの昇格を伝えるのが好きだった。

 

ペーターの上達を嬉しそうに見ているのが好きだった。

 

頂点のクラブでも自信に満ち溢れるジョンが好きだった。

 

心ここに在らずなスチュを気にするジョンが好きだった。

 

スチュがいなくなってあからさまにやる気を失くすジョンが好きだった。

 

ジョージに蹴られても笑みを讃えるだけのジョンが好きだった。

 

スチュの絵をからかうジョンが好きだった。

 

お前が呼んだんだろって少し嬉しそうなジョンが好きだった。

 

ゴッホシェイクスピアもスチュと同列に語るジョンが好きだった。

 

ベースはお前だって真顔で言うジョンが好きだった。

 

お前じゃなきゃダメなんだって泣きそうな顔で真剣に伝えるジョンが好きだった。

 

お前自身をそのアトリエに閉じ込めるなって力強く言うジョンが好きだった。

 

スチュを丸ごと理解しようとするジョンが好きだった。

 

世界を分かち合おうって手を差し出すジョンが好きだった。

 

何をおいてもスチュを逃がそうとするジョンが好きだった。

 

捕まって苛々するジョンが好きだった。

 

投獄されるスチュを支えようと伸ばす手が好きだった。

 

泣き崩れるジョージの腰に手を添えるのが好きだった。

 

スチュのもとにやってきたアストリッドを見ないようにするのが好きだった。

 

ライターがなくてポールに火を貰うジョンが好きだった。

 

時間が来てスチュに声を掛けるジョンが好きだった。

 

後ろ髪引かれるスチュを宥めるジョンが好きだった。

 

聴けなかったオーディエンスのことまで気遣ってくれるのが好きだった。

 

ポールにスチュと双子だと思われてたジョンが好きだった。

 

スチュが不機嫌なのはまさか自分のせいじゃないと思ってるジョンが好きだった。

 

スチュが投げたグラスを両手で受け止めるジョンが好きだった。

 

自分が怒られてることよりスチュが抜けようとしたことを責めるジョンが好きだった。

 

帰還が決まってスチュに小さくごめんねっていうジョンが好きだった。

 

トップテンに帰ってきて客席を襲うように顔を近付けるジョンが好きだった。

 

喝采に口角を上げるのが好きだった。

 

スチュの変容を受け流そうとするジョンが好きだった。

 

スチュの為にとんでもないイケボで曲紹介するのが好きだった。

 

悪戯っぽく笑ってマイクスタンドを必要以上に下げるのが好きだった。

 

スチュが来てそのマイクスタンドをどうぞって指すのも好きだった。

 

ピックを咥えて楽しそうに1人で伴奏するのが好きだった。

 

他のメンバーに演奏を促して目を見合わせるのが好きだった。

 

デレデレするスチュについにキレてしまうジョンが好きだった。

 

それでも女の子には絶対手を上げようとしないジョンが好きだった。

 

ポールに甘えてたからこそ怒鳴り付けてしまうジョンが好きだった。

 

去っていくふたりを眺める悲しげな背中が好きだった。

 

それでもスチュが絶対的に必要なジョンが好きだった。

 

ポールが伸ばした手に応えられないジョンが好きだった。

 

おっきな声でスチュを訪ねてくるジョンが好きだった。

 

アストリッドなんて目に入らないジョンが好きだった。

 

俺とあいつの大事な話に彼女が食い付くことを知ってるのが好きだった。

 

君もなってまだ牽制を忘れないジョンが好きだった。

 

現状を打ち明けるジョンが好きだった。

 

スチュのスピリットを必要とするジョンが好きだった。

 

1ヶ月前に願書を出したと聞いて顔を歪ませる心の揺れが好きだった。

 

彼奴は受かるよって分かってたからこそ手すりを蹴るのが好きだった。

 

スチュの才能を分かりすぎるくらい分かってるのが好きだった。

 

酔っ払いに行くってちゃんと答えるジョンが好きだった。

 

ステージ前なのに完全に酔っ払ってるジョンが好きだった。

 

ポールをあしらいつつ昔の話も楽しそうなジョンが好きだった。

 

スチュがいないのに?って本音が出ちゃうジョンが好きだった。

 

ポールの嫉妬を知ってたことを伝えるジョンが好きだった。

 

ポールの愛に応えるジョンが好きだった。

 

倒れそうになってポールに伸ばす手が好きだった。

 

ライブが終わって海にやってくる心が好きだった。

 

月明かりに照らされる俯き気味の顔が好きだった。

 

砂浜を感じてる足取りが好きだった。

 

靴を見つけてやっぱりって顔するのが好きだった。

 

スチュの声に笑顔を見せるジョンが好きだった。

 

スチュの主張を見守るジョンが好きだった。

 

2人で座り込んで嬉しそうなジョンが好きだった。

 

船乗りの話が心底楽しそうなジョンが好きだった。

 

ほんの少しだけ躊躇ってからラムをやるジョンが好きだった。

 

質問を質問で返されて何かを悟ったようなジョンが好きだった。

 

本当の気持ちをまっすぐ伝えるジョンが好きだった。

 

灯台の光に目を細めるジョンが好きだった。

 

でも絶対にスチュから顔を逸らさないのが好きだった。

 

最後まで冗談ばっかりのジョンが好きだった。

 

ゆっくり、ゆっくりスチュを抱き締めるジョンが好きだった。

 

その背中を愛おしく包む手のひらが好きだった。

 

言葉では伝わらない何かを必死に伝えているジョンが好きだった。

 

「みんなそうさ」に乗った深い感情が好きだった。

 

ハンブルクでお世話になった全員と目を合わせて歌うのが好きだった。

 

乱入したスチュを当たり前のように受け入れるのが好きだった。

 

この街でやりきった満足そうな顔が好きだった。

 

メンバーと最後のステージを讃え合うのが好きだった。

 

ラブミーテンダーを約束の曲にするジョンが好きだった。

 

円陣を組んで4人を抱きとめるようなジョンが好きだった。

 

スチュがそこを離れる瞬間必死に伸ばす指先が好きだった。

 

4人の真ん中で別れを受け止めるジョンが好きだった。

 

受け入れたなら進むしかないと力強く誓う円陣が好きだった。

 

CAVANでまた無茶してるジョンが好きだった。

 

エピーを暖かく受け入れるジョンが好きだった。

 

でもからかうことを忘れないらしさが好きだった。

 

フライングしたジョージを見下ろす目が好きだった。

 

目力と迫力でメンバーさえ怯えさせるジョンが好きだった。

 

スチュのポジションだなって運命の出会いを受け入れるジョンが好きだった。

 

オーケーP.S.!ってなんかよく分からない返事が好きだった。

 

スチュに届けるような歌詞を歌うのが好きだった。

 

3人で集まって一度も笑わないジョンが好きだった。

 

大事な仲間への盃を高く掲げるジョンが好きだった。

 

トレードマークの髪型を変えて出てくる横顔が好きだった。

 

一心不乱に悪態をつくジョンが好きだった。

 

誰の為にも泣かないジョンが好きだった。

 

口も足もとめどなく動かさないと倒れてしまいそうなジョンが好きだった。

 

スチュとの合言葉を大切に大切に抱えるジョンが好きだった。

 

それでも結局膝をついてしまうジョンが好きだった。

 

初めて動揺をぶちまけるジョンが好きだった。

 

暴れずにはいられないジョンが好きだった。

 

スチュが聞いたら怒るようなことを口走るのが好きだった。

 

ずっと一緒にいた3人に囲まれるジョンが好きだった。

 

気付けば頬を伝っていた綺麗な涙が好きだった。

 

自分の喪失よりも世界が彼を失ったことを悔やむジョンが好きだった。

 

もう誰の言葉も耳に入らないジョンが好きだった。

 

スチュのいる椅子に辿り着くジョンが好きだった。

 

スチュに泣きながら笑いかけようとするジョンが好きだった。

 

約束の歌を絞り出すように口ずさむジョンが好きだった。

 

息が出来ないくらい泣いて、それでも歌うのをやめないジョンが好きだった。

 

薬のうがいで風邪を直そうとする破天荒さが好きだった。

 

プロデューサーの無茶振りに抗議するにもハンブルクを引き合いに出すジョンが好きだった。

 

ポールにも抗議しろよって理不尽なジョンが好きだった。

 

ポールの主張を不機嫌そうに聞くジョンが好きだった。

 

スチュの名前を出されて心を決めるジョンが好きだった。

 

ワンテイクでキメろよって鬼が宿ったような迫力が好きだった。

 

リンゴにジョージに声を掛けるジョンが好きだった。

 

メンバーを1人ずつ指差すのが好きだった。

 

その最後にまっすぐスチュを指すのが大好きだった。

 

スチュに届けるような魂の咆哮が好きだった。

 

全てを越えて巨大な波に飛び込んでいく覚悟が好きだった。

 

青春の最後の煌めきを全身で歌うジョンが好きだった。

 

ずっとスチュがそばにいることにちゃんと気付くジョンが好きだった。

 

迎えに来たスチュを照れくさそうに見るのが好きだった。

 

差し出されたコートの着方が好きだった。

 

永遠を手に入れたように安らかな顔が好きだった。

 

ふたりきりの世界で優しく肩を抱くジョンが好きだった。

 

額縁の向こうへ帰っていく幸せそうな背中が好きだった。

 

 

 

 

 

あの日出逢ったジョンレノンの、

 

何もかもが大好きだった。